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2013年2月21日 (木曜日)

フリー・ジャズには聴こえない

ほんの時たま、聴きたくなるジャズメンというのが何人かいる。頻繁に聴くと、ちょっと「ウザく」なるのだが、ほんの時たまに聴くと、これがなかなか興味深く聴けたりする。そんなジャズメンのひとりが「オーネット・コールマン(Ornette Coleman)」。

オーネット・コールマンは、1930年3月9日生まれ。今年で83歳。素晴らしいことにまだまだ現役である。ジャズ・サックス奏者で、アルトサックスが本業で、トランペットやヴァイオリン弾くマルチ奏者。1960年代に台頭した「フリー・ジャズ」を牽引した。

ジャズ者初心者の頃、僕はこのオーネットがさっぱり判らんかった。判らんというかフリー・ジャズということは判るんだが、どう聴いてもフリー・ジャズに聴こえない。

全く、フリーキーにアブストラクトに吹きまくっているんだが、何だか、とても聴き易い。なんらかの取り決め、なんらかの決めごとに則って、フリーキーな風に吹いている。そんな感じがして、これのどこがフリー・ジャズなのか、と感じてしまって、ジャズ者初心者の僕はオーネットがさっぱり判らんかった。

今日は、Ornette Coleman『Art of the Improvisers(即興詩人の芸術)』を聴いた。1970年11月にリリースされた、1959年から1961年の間の未発表音源集。
 
パーソネルが凄い。Ornette Coleman (as,ts), Don Cherry (pocket tp,cor), Charlie Haden (b), Scott LaFaro (b), Jimmy Garrison (b), Billy Higgins (ds), Ed Blackwell (ds)。 そうそうたるメンバーではないか。
 

The_art_of_the_improvisers

 
このアウトテイク集、意外と面白い。オーネットと言えば「フリー・ジャズ」。フリーなブロウをブリブリ繰り広げているところに、こっそりと「Just For You 」はメロウなバラードで、とても素敵。スコット・ラファロのベースが印象的な「The Alchemy Of Scott La Faro」は意外と硬派な純ジャズ路線。

で、このアルバム、通して聴くと、これってフリー・ジャズ?、って感じになる。硬派で限りなくフリーなモーダルなジャズ、って感じになるんだが、じゃあ、オーネットのフリーキーなフレーズってモードか、と言えば違うだろう。モードもどき、というか、オーネットの独特の感性に則って吹きまわしていく、オーネットならではのモードって感じ。感性的ではあるが理論的ではない。

そして、ドン・チェリーのトランペットが実に印象的。オーネットのアルトより、メロディアスでふくよかなフリーキーなフレーズは、決してアブストラクトでは無い。伝統に則った限りなくフリーではあるが、本能の趣くまま、無勝手流に無茶苦茶に吹きまくるのでは無い、なんらかの取り決め、なんらかの決めごとに則って、フリーキーな風に吹いている。

今の耳で聴いても、やっぱり、どうもこの演奏はフリー・ジャズには聴こえない。限りなく自由度の高い、規則やアレンジやコード進行に縛られないが、なんらかの取り決め、なんらかの決めごとに則って、フリーキーな風に吹いている即興演奏。他のフリー・ジャズより聴き易い。アブストラクトではあるが、メロディアスなオーネットとチェリーのフレーズ。

ユニークなジャズであることには間違い無い。フリー・ジャズの祖と言われるオーネット・コールマンではあるが、聴いてみると意外とメインストリーム・ジャズしていて聴き易い。今でもほんの時たま、聴きたくなるオーネット・コールマンである。久々にオーネットを聴きたくなる時期がやってきた。

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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