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2013年2月15日 (金曜日)

ジョニの考えるジャズ

ジャズは融合の音楽。様々なジャンルの音楽と融合(Fusion)してきた。ボサノバと融合し、ソウルミュージックと融合し、ロックと融合し、ワールドミュージックと融合し、その都度、新たな音楽を生み出してきた。

そんな融合の音楽であるジャズ。このコラボレーションも「融合」の賜。怒れる伝説のベーシスト、チャールズ・ミンガスと、米国西海岸フォークロックのシンガーソングライター、歌姫のジョニ・ミッチェル。このミンガスとジョニのコラボ。融合の音楽のジャズが、米国西海岸フォークロックと融合して、素敵な化学反応を起こしている。

そのアルバムの名はスバリ『Mingus(ミンガス)』(写真左)。1979年のリリース。ミンガスは既に病床にあり、声と歌のみの参加となっている。でも、その存在感は抜群。ミンガスの見守る中、ジョニを始めとする曲者達が自分達なりの「ミンガス・ミュージック」を奏でる。

参加ミュージシャンを列挙する。Joni Mitchell (ac-g, key, vo), Charles Mingus (vo), Wayne Shorter (sax), Herbie Hancock (key, ac-p), Jaco Pastorius (b, Brass Arr), Peter Erskine (ds), Don Alias (congas), Emil Richards (per)。いやはや、凄い面子。曲者揃いである。

特に、このアルバムで大活躍しているのが、ベースのジャコ。当時、ジョニと「良い仲」だったこともあって、ジャコのベースは実に気合いが入っていて、鬼気迫るものがある。凄いアコベである。フロント楽器であるウェインのサックスが霞むほどだ。ジャコのアコベの代表作として挙げても良い位、素晴らしいジャコのパフォーマンスが聴ける。そうそう、ブラス・アレンジもジャコである。

 

Joni_michell_mingus

 

ジョニも負けてはいない。パーカッシブなアコギの演奏は、これまた鬼気迫るものがあって、実にテンション高く切れ味鋭い、一種、妖気漂う凄まじいパフォーマンス。ボーカルも情感こもりまくりで、いわゆる「絶唱」である。

1980年代以降、米国西海岸の女性シンガーソングライター達がジャズ・ボーカルに挑戦したアルバムをリリースしているが、いずれも、ジャズ・スタンダード曲をジャズのフォーマットをバックに、ジャズ・ボーカリストの様に歌うというもの。それなりの成果を出しているところが素晴らしいが、つまりはジャズ・ボーカルの物真似。

しかし、この『Mingus(ミンガス)』でのジョニ・ミッチェルは違う。モーダルなメインストリーム・ジャズの即興演奏をバックに、ジョニの曲をジョニの歌い方で歌う。ジョニの弾き方でアコギを弾く。そうして、出来上がった音楽が「唯一無二」な、それまで聴いたことの無いフュージョン・ジャズ。ジョニでしか為し得ない音世界。

このアルバムを聴くと、ジョニ・ミッチェルの考えるジャズ、というものを体感できる。ジョニが考え、ジョニが感じ、ジョニが表現したジャズ。ジョニ・ミッチェルから、このアルバムを見てみると、ジャズの懐の深さ、ジャズの柔軟さ、ジャズの革新さを感じ取る事ができる。

ジャズという音楽ジャンルがジョニの内部に化学反応を起こし、それに触発されたジャコが凄いエレベを弾きまくる。そしてハービーがエレピをアコピを弾きまくる。そして、アースキンとアライアスが叩きまくる。凄まじいリズム・セクション。ジャズメン同士ではこのグルーブは出ないだろう。ジョニとの他流試合の成果。

ジャズとは融合の音楽であり、ジャズとは即興の音楽である。そんなことを改めて再認識させられる、実に希有な傑作アルバムである。 

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

 

 

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