最近のトラックバック

« 8年ぶりのショーターの新作 | トップページ | アダムス=ビューレンとの出会い »

2013年2月19日 (火曜日)

急がば回れのビリー・ハーパー

ビリー・ハーパー(Billy Harper 1943年1月17日〜)は、アメリカ合衆国テキサス州生まれのジャズ・テナーサックス奏者。今年で70歳。1970年代後半、ジャズ者初心者の頃、大学近くの秘密の喫茶店で出会った。

ジャズ者初心者の頃、ジャズを聴き始めて2年くらい経った頃だったかと思う。判りやすい入門盤から、自力で聴くアルバムの世界を拡げつつあったんだが、やはり、ジョン・コルトレーンくらいは、聴き親しんでおかねば、と考え、コルトレーンのアルバムを手当たり次第、聴き始めたのだが、何が良いのやら判らない。

プレスティッジ時代のアルバムは辛うじて、コルトレーンの何が良いのかが判りそうなのだが、インパルス時代に至っては良く判らず、フリージャズの世界に至ってはチンプンカンプン。コルトレーンが何をやろうとしているのかが、サッパリ判らなかった。自分はやはりジャズを理解できる耳を持たないのか、と諦めかけたりもした。

そんな時に、秘密の喫茶店のママさんに聴かせて貰ったアルバムが、Billy Harper『Black Saint』(写真左)だった。ママさんは何故、僕にこの盤を聴かせてくれるのか、その意図が良く判らなかった。

ちなみにこのアルバムのパーソネルは、Billy Harper (ts), Virgil Jones (tp), Joe Bonner (p), David Friesen (b), Malcom Pinson (ds)。ビリー・ハーパーはともかく、今でも僕には無名のリズム・セクション。1975年7月21・22日の録音。
 
冒頭1曲目の「Dance, Eternal Spirits, Dance!」の出だしのハーパーのテナー・ソロの音を聴いて、ハーパーはコルトレーンのフォロワーだということは判った。そして、続く展開部のカルテットの音を聴いて閃いた。
 

Black_saint

 

なるほど、ビリー・ハーパーは「判りやすいコルトレーン」、若しくは「口語体のコルトレーン」だと感じた。コルトレーンから「精神性」と「あまりに高度なモーダルな感覚」、そして「過度なシーツ・オブ・サウンド」を取っ払って、展開とフレーズを判り易くしたテナーがビリー・ハーパーである。

ビリー・ハーパーのテナーはシンプルで、どこかメロディアス。フリーキーな節回しもあるが、適度な長さで次の展開に移るので、ウンザリすることも無い。とにかく聴き易い。キャッチャーなフレーズもところどころに散りばめられて、とにかく親しみ易い。ジョン・コルトレーンを理解するのに、とにかく入り易いコルトレーンのフォロワーの音。

僕は、ビリー・ハーパーの1970年代の諸作を聴いて、コルトレーンの音楽が、コルトレーンのブロウが如何なるものかを理解していった。ビリー・ハーパーを通じて、まずはコルトレーンの音の個性を掴み取っていった。「急がば回れ」のコルトレーン・ミュージックの理解である。

なるほど、この手があったか。秘密の喫茶店のママさんの意図が理解出来た。ビリー・ハーパーで聴き馴れたコルトレーン・ミュージックの個性を、次に本家本元のジョン・コルトレーンのリーダー作で確認していく。このやり方で、随分、ジョン・コルトレーンの音楽の理解が進んだ。秘密の喫茶店のママさんに感謝である。

Billy Harper『Black Saint』というアルバムは、コルトレーンを理解する為の教科書的存在。ジャズ者初心者の頃、随分、お世話になりました。

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 8年ぶりのショーターの新作 | トップページ | アダムス=ビューレンとの出会い »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/49515140

この記事へのトラックバック一覧です: 急がば回れのビリー・ハーパー:

« 8年ぶりのショーターの新作 | トップページ | アダムス=ビューレンとの出会い »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ