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2013年1月18日 (金曜日)

実にハードバップなコルトレーン

短音符を敷き詰めた様に高速でテクニック豊かに吹きまくる、所謂、シーツ・オブ・サウンドなる奏法に至ったコルトレーンは実に「賑やか」。時に五月蠅すぎるかもしれない。特に、コルトレーンがリーダー作での「シーツ・オブ・サウンドな演奏」は、コルトレーンが執拗なまでに高速でテクニック豊かに吹きまくる。時と場合、時と体調によっては「どっと疲れる」(笑)。

そういう意味では、コルトレーンのテクニック豊かなブロウを楽しむには、コルトレーンがサイドマンに回ったセッションの演奏の方が良いかもしれない。コルトレーンは律儀が故にリーダーに遠慮して、コルトレーン特有の高速でテクニック豊かに吹きまくるところをグッと押さえて、演奏全体の雰囲気を壊さないように、グループ・サウンズ優先でちょっと抑制してインプロビゼーションを展開する。そんなちょっと奥ゆかしいコルトレーンに、良質な「ハードバップ」を感じる。

昨日は、コルトレーンが、ピアニスト、レッド・ガーランドのリーダー作でサイドマンに回って、絵に描いた様な「ハードバップ」な雰囲気を湛えた佳作をご紹介した。そんなコルトレーンがサイドマンに回って、実に絵に描いた様な「ハードバップ」しているアルバムがもう一枚ある。Mal Waldronの『Mal-2』(写真左)である。

1957年4月19日と5月17日の二つの録音に別れる。どちらにせよ、1957年と言えば「ハードバップ時代」ど真ん中。ちなみにパーソネルは、4月19日のセッションが、Bill Hardman (tp), Jackie McLean (as), John Coltrane (ts), Mal Waldron (p), Julian Euell (b), Art Taylor (ds)。5月17日のセッションは、John Coltrane (ts), Mal Waldron (p), Julian Euell (b)は変わらず、Idrees Sulieman (tp), Sahib Shihab (bs,as), Ed Thigpen (ds)がそれぞれ替わって入っている。

前に、Mal Waldronの『Mal-1』の評で、マル・ウォルドロンというピアニストを聴く時、彼のアレンジの才を感じる必要な無いと思う。彼のピアニストとしての個性を感じることが、一番、マルを愛でることにつながる、と書いた。確かにその通りだと今でも思ってはいるが、この『Mal-2』では、マルのアレンジがなかなか上手く填まっている。『Mal-1』では「なんだかなあ」と感じた、マルのアレンジの才が、この『Mal-2』では形になってきている。少なくとも、『Mal-1』よりは良い。聴き易いし、聴いていてちょっと楽しい。
 

Mal2

 
このアルバムでは、マルのなかなかのアレンジがあって、フロント楽器の、コルトレーンのテナーや、ジャキー・マクリーンとサヒブ・シハブのアルト、はたまたビル・ハードマンやアイドリース・シュリーマンのトランペットが、実に良い雰囲気でリラックスしつつ、心地良いテンションで吹きまくっている。フロント楽器のユニゾン&ハーモニー、そして、個々のインプロビゼーションの響き、どれをとっても「ハードバップ」の芳しき香りがプンプンする。

このアルバムでのコルトレーンのブロウは「シーツ・オブ・サウンド一歩手前」の、実にハードバップらしい、そしてコルトレーンらしいストレートで伸びのあるブロウで、様々なフレーズを吹き上げている。ハードバップの王道を行くコルトレーンのテナー演奏。このアルバムでのコルトレーンはなかなかの聴きものです。「シーツ・オブ・サウンド一歩手前」の、ハードバップの王道を行く、ストレートトーンで朗々としたフレーズを吹きまくるコルトレーンは実に魅力的です。

この『Mal-2』は、マル・ウォルドロンのリーダー作ではあるが、演奏的にはフロント楽器を愛でるハードバップ盤だと思います。コルトレーンのテナーや、ジャキー・マクリーンとサヒブ・シハブのアルト、はたまたビル・ハードマンやアイドリース・シュリーマンのトランペット、いずれの溌剌としたインプロビゼーションを繰り広げていて立派です。

このアルバムは、実に絵に描いた様な「ハードバップ」していて素敵な内容です。冒頭1曲目の「From This Moment On」の前奏からテーマ部分のフロント楽器、テナー、アルト、トランペットのユニゾン&ハーモニーを聴くだけで、思いっきり、ハードバップを感じることが出来ます。良いアルバムです。

そして、リーダーのマルには悪いのですが、こってこてにハードバップな「シーツ・オブ・サウンド一歩手前」のコルトレーンのテナーを心ゆくまで愛でることが出来る佳作です。「隠れ佳作」と言えます。

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 

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