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2013年1月26日 (土曜日)

やっと満足する音で聴けた・・・

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、ジャズがメインであるが、その傍らで、70年代ロックや1970年代Jポップも守備範囲としている。

特に、70年代ロックについては、僕がリアルタイムで体験した70年代ロックの「自分の好み」のアルバムをマニアックに蒐集している。まあ、高校〜大学時代に貧乏で買えなかったアルバムを、社会人になってからの財力をバックに「大人買い」している感じですね(笑)。

とにかく、高校〜大学時代は貧乏だったので、なかなか思うようにアルバムが買えない。大人になって、社会人としての財力をバックに「大人買い」を始めたが、最初の頃は、学生時代に欲しくても買えなかったアルバムを手に入れ、その演奏を、その音を聴くだけで満足していた。 

が、1990年代に入った頃、やっとリーズナブルな価格で、70年代ロックのアルバムがCDでリイシューされはじめたのだが、そのCDの音を聴くと、どうも具合が良くない。70年代ロックをリアルタイムで体験した頃は、当然「LPレコード」の時代。この時、体験した音とCDから出てくる音がどうも違う。

聴くステレオセットも、学生時代のチープなステレオでは無く、それなりに投資をして、オーディオ的にもまずまず満足がいくものである。そのまずまずのステレオセットで聴くCDの音が、学生時代のチープなステレオで聴くLPになんだか負けているのだ。

まあ、その理屈はそれから、また、どっぷりとオーディオの世界に填まって、なぜ当時のCDの音がLPの音に劣るのか、その理屈も判る様になった。そして、CDの世界でも、21世紀に入った頃から、70年代ロックのアルバムについても、デジタル・リマスターを施したCDリイシューがなされるようになった。これで、かなり音質は改善され、LP時代の音にかなり近づくことになる。

しかし、そのデジタル・リマスターという作業も、いろいろとテクニックや手法があって、変にリマスターすると、LP時代のオリジナルな音とは似ても似つかない音になってしまうという弊害も生まれた。僕の考えは、70年代ロックの音の基準はやはりLP時代のアナログチックな音が基準で、やはり、限りなくアナログチックな音に近づかないと、耳が落ち着かない。
 

Leadies_and_gentleman

 
デジタル・リマスターを施しても、なかなか音質改善されないアルバムも幾つかある。僕にとって、長年、その「なかなか音質改善されないアルバム」の筆頭が、70年代ロックの代表的ジャンルであるプログレッシブ・ロックにおける体育会系バンド、Emerson, Lake & Palmerのライブ盤『Welcome Back My Friends to the Show That Never Ends... Ladies and Gentlemen』(写真)である。

このアルバムは難物で、もともとマスターテープ自体の音質が問題とされる。それでも、LP時代はそれなりに、アナログチックな厚みのある音で再生されていた記憶がある。特に、エマーソンのムーグ・シンセの音、レイクのベースとエレギ、そして、パーマーのスネア、いづでもなかなかライブ感豊かな音で再生されていた想い出がある。

しかし、CDになってからこれがまあ、なんとも痩せたチープな音で出てきたから、ガッカリである。最初のCDを入手してからも、LPを聴いていた位だ。21世紀になって、デジタル・リマスター盤が出始める。しかし、いずれの盤も一長一短。決め手に欠ける状態が続いた。

僕が持っている『Ladies and Gentlemen』のCDは、全部で6種類。1990年辺りにでたワーナーの日本盤から始まり、英Castle/Sanctuary盤、米Rhino盤、米Victory盤、そしての日本におけるビクターのK2リマスター盤とK2HDリマスター盤。いずれも決め手に欠けるのだが、敢えて選ぶのならば、英Castle/Sanctuary盤が一番耳に馴染む。音圧は低めだが、LP盤に近い音質と音のバランスが良い。

そして、最近、PCオーディオ+ハイレゾ音源という世界に填まり、ある日ふと思い立った。この英Castle/Sanctuary盤の『Ladies and Gentlemen』をMacにリッピングして、PCオーディオで再生したらどうなるか。再生環境はMacBook Proにaudirvana plusという再生ソフトを入れて、USBーDACはパイオニアN-50を活用し、既存のステレオ環境でアナログ再生している。

これがまあ、大当たり(笑)。USBーDACでアップサンプリングした効果とパイオニアN-50の持つ「Hi-bit 32 Audio Processing」の効果が相まって、実にアナログチックな再生が出来た。うへ〜、これは嬉しい。音の伸び、太さ、奥行き、艶など、だいぶLP時代の音に近づいた。これはいける。

やっと満足する音で聴けた、Emerson, Lake & Palmerのライブ盤『Welcome Back My Friends to the Show That Never Ends... Ladies and Gentlemen』。1990年代初めに最初のCDを入手して以来、20年余り、課題となっていた事がやっと解決した。技術の進歩とは尊いものである。PCオーディオの環境が手に入って、やっと念願かなった気分である。

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 

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