オーディオ的なリファレンス盤
レイ・ブライアント(Ray Bryant)。僕の大好きなジャズ・ピアニストのひとりである。1931年、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。惜しくも、2011年6月に逝去した。逝去して暫くは、ブライアントが他界したショックで、ブログなどでブライアントの事を語ることが出来なかった。
逝去して1年半が経過し、やっとブライアントが他界したショックも癒えた。そんな時、自分自身もちょっと命が危ない状態があって、その状態を癒すプロセスで、やはり好きな音楽を聴くことは絶対に必要で、そんな時は、やはり、ジャズ・ピアニストとしては、レイ・ブライアントを選択したりするのだ。
最近、バーチャル音楽喫茶『松和』のオーディオ環境をちょっと改善した。改善した効果を確認するのに、リファレンスとなるCDがある。やはり、自分自身、アコピを弾いていた経験があるので、オーディオ的なリファレンスCDは、ジャズの場合、ピアノ・トリオのアルバムが主になる。
そんなジャズ・ピアノ・トリオのオーディオ的リファレンス盤の一枚に、レイ・ブライアント(Ray Bryant)の『Plays Basie & Ellington』(写真左)がある。ちなみにパーソネルは、Ray Bryant (p), Rufus Reid (b), Freddie Waits (ds)。1987年のリリース。 ジャズの老舗レーベルのひとつである、エマーシー・レーベルが復活した時の第1弾として、当時、レイ・ブライアントの7年ぶりのトリオ演奏となったアルバム。
ブライアントのピアノは、高度なテクニックに裏打ちされた、良く回る右手が特徴のハッピー・スインガーではあるが、重低音を活かした左手のビートが限りなくファンキー&ブルージーで、メリハリが効いたノリの良い明るいタッチの中にそこはかとなく漂う哀愁が特徴。ポジティブなタッチと大らかで懐深い幅広な展開が心地良く、とにかく聴き応えがある。
そんなブライアントが、デューク・エリントンとカウント・ベイシーの曲を中心に据えて制作したピアノ・トリオ盤が、この『Plays Basie & Ellington』。ポジティブなタッチと大らかで懐深い幅広な展開が、デュークやベイシーの楽曲のフレーズにピッタリである。ピアノ・トリオとしての演奏と、ブライアントのソロ・ピアノの両方が楽しめるところも、この盤の「おいしい」ところ。
職人肌のリードのベースとウエイツのドラムのサポートも申し分無い。ピアノ・トリオにおけるベースとドラムのバッキングは「かくあるべし」的な演奏で、堅実かつダイナミックなベースとドラムのサポートを得て、ブライアントが実に心地良くピアノのフレーズを紡ぎ上げている様子がアルバムの演奏を通じて良く判る。
加えて、ピアノの音、ベースの音、ドラムの音、どれをとっても実に良い響きをしており、この盤の録音の良さを堪能することが出来る。とにかく親しみのある内容のピアノ・トリオ盤で、ジャズ者初心者からベテランまで、幅広くお勧め出来る。肩肘張らずにリラックスして気軽に楽しめる好盤である。
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