ハードバップの大名盤の一枚
昨日から、ブルーノート・レーベルのアルバムについて触れるようになったが、ブルーノート・レーベルの諸作品の中で、ジャズを聴き初めて、最初にヘビーローテーションになったアルバムってどれかしら、と思って思案を巡らせてみた。
ジャズを聴き初めて1年余り。ブルーノートというレーベルとは何者か、なんてことをジャズ本やジャズ雑誌で知識として仕入れて、なんとか、このブルーノートのアルバムを手に入れたいと思うようになっていた。
意外と1970年代後半って、日本盤として、ブルーノート・レーベルのアルバムは入手し難かった想い出がある。どのレコード屋にも置いてある代物では無い。ジャズを専門的に扱っているレコード屋で無いと、ブルーノート・レーベルの日本盤って置いていなかった。
確か、この盤だと思う。John Coltrane『Blue Train』(写真左)。ブルーノートの1577番。1957年9月15日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。テナーの聖人コルトレーンがブルーノートに残した唯一のリーダー作である。
この盤については、ジャズ本、ジャズ雑誌、ネット投稿等々で、様々な評価、コメント、エピソードが語り尽くされている。今更、僕がこの盤について語ったところで意味は無いだろう。それほどの大名盤である。
逆に、ジャズ者として、この盤を聴いたことが無いというほうが「マズイ」(笑)。この盤を知らないとすると、ジャズ者として「パチモン」扱いされることは必至。
それほどの大名盤である。しかし、ジャズ者初心者駆け出し1年余りの僕は、このアルバムがそんなに大名盤だということは知らなかった。コルトレーンの代表盤の一枚くらいにしか認識が無かった。じゃあ、何故、このアルバムを手に入れたのか。答は簡単です。ジャケットが良かった。思索にふけるような雰囲気のコルトレーンのジャケ写が格好良かった。それだけです(笑)。
入手の理由は、そんな他愛も無い理由なんですが、ヘビーローテーションになった理由は明確です。このアルバムに詰まった演奏全てが、絵に描いた様な「ハードバップ」的な演奏であるということ。言い換えると、ハードバップの良いところの全てが詰まった名作であるということです。
曲全体の展開をしっかりと考慮し、良く練られたアレンジ。豊かなユニゾン&ハーモニー。テクニックと閃きをベースとした魅力的なロング・ソロ。ファンキーでジャジーなトーン。参加ジャズメンの個性が手に取るように判るプロデュース。このコルトレーンの『Blue Train』には、そんなハードバップの良いところの全てが詰まっています。
このアルバムについては、あれこれ蘊蓄(うんちく)を語る前に、あれこれ事前情報を調べる前に、とにかく入手して聴いて欲しいアルバムです。ジャズ者であれば、絶対に必須のアイテムですからね。
逆に、このコルトレーンの『Blue Train』を聴いて、ジャズって良いなあ、とか、良い雰囲気の演奏だなあ、と感じることが出来無ければ、その方は残念ながら、ジャズ者には向かないと思います。それほど、ジャズの基本的要素がギッシリと詰まった「ジャズの教科書的な」アルバムだと思います。
ジャズの基本的要素がギッシリと詰まった「ジャズの教科書的な」アルバムですから、ジャズ者歴35年、僕は、ことある毎に、このアルバムを引っ張り出して来ては聴き耳を立てています。ジャズ者歴を重ねる毎に新しい発見があって、全く飽きることがありません。ジャズの名盤とはそういうものだと思います。
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