紅葉の季節にキースのソロ
先週の週末の3連休に帰阪しました。同窓会があったのですが、その同窓会に絡めて、25日には、30年ぶりに京都の紅葉シーズンを堪能してきました。
紅葉シーズンの京都は大混雑で、もともと大阪出身の僕は若い頃は滅多に寄りつきませんでした。紅葉を愛でというよりは、人混みを見に行く、という感じですからね。しかし、ある人の弁を借りると、「紅葉の一番良い時を体験しようとすると、やっぱり観光客の一番多い、混雑する時期になる」。逆を返せば「混雑を体験せずに紅葉の一番良い時期は体験出来ない」ということになります。
ということで、ちょっとだけ早起きして、午前中に、混雑が予想される金閣寺、龍安寺を訪問してしまう、という作戦に出ました。これが功を奏して、ちょっと混雑はしていましたが、どちらもすんなり入れて、紅葉を心ゆくまで堪能しました。
どうです。凄い紅葉でしょう。今年の京都は紅葉が早く、もうこの土日がピーク、という感じでした。京都のお寺は混雑していても、そんなに騒がしく無く、移動する道すがらも、大通りを離れて、一筋、路地を入れば、静かな街並みが続いて、京都ならではの街並みを堪能することができます。
この京都の閑静な街並み、そんな街並みの中のところどころに佇む小さな神社やお寺。とにかく静か、そして、抜けるような青空。思わず、キース・ジャレットのソロピアノが聴きたくなりました。
静謐な中に、凛として鳴り響くピアノ。ダイナミックに、繊細に、陰影抑揚をつけながら、様々な音風景を紡いでゆくキースのソロピアノ。京都の秋、京都の紅葉シーズンには、キースのソロピアノが良く似合う。
木漏れ日の中、逆光で見上げる紅葉も素晴らしいものがありました。陰影が複雑に折り重なって、様々な色調の赤が混ざり合って、何とも言えない光景でした。これだけ見事な紅葉だからこそ体験できる、実にアーティスティックな風景です。
思わず、帰京して、キースのソロピアノのアルバムを何枚か、聴き直しました。そうですね、主だったところでは、2002年のソロコンサート・ツアー、大阪と東京の録音が収録された『Radiance』、2008年11月〜12月の録音を納めた、『Testament - Paris / London』辺りでしょうか。
お得意の現代音楽的な感触にも似たアブストラクトでフリーキーな演奏や、フォーキーで牧歌的で大らかな展開の曲想も顔を出し、静謐で限りなく美しいワン・コードな進行にハッとして、ドラマチックに盛り上がって、ダイナミックに展開するところで強く感じ入る。なんだか、京都の紅葉の風景にピッタリなソロピアノで、今日は紅葉の写真を整理しながらのBGMは、ずうっとキースのソロピアノでした(笑)。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。
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