« 新メンバーを迎えてRTFライブ | トップページ | 『マシン・ヘッド』40周年記念 »

2012年11月23日 (金曜日)

雨の日にしみじみ聴くトリオ盤

晩秋から初冬にかけての雨は侘びしい。今日は一日、雨降りの我が千葉県北西部地方。日が暮れるのが早いし、今年は寒くなるのが早いし、なんとも侘びしい風情である。

さて、雨の日、特別にバーチャル音楽喫茶『松和』でかかるアルバムが幾つかある。これって、不思議なんだが、一日雨模様の侘びしい日に限って、CDプレイヤーのトレイに載るアルバムが何枚かある。その中の一枚が、Oscar Peterson『Oscar Peterson Plays The Cole Porter Songbook』(写真左)。

名匠オスカー・ピーターソンのコール・ポーター作品集。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)の黄金のトリオ。録音は、1959年の7〜8月。まさに鉄壁の「黄金のトリオ」のコール・ポーター作品集。収録された全12曲、どれも非の打ち所が無い、素晴らしいトリオ演奏である。

ちなみに資料によると、1959年夏、ピーターソン・トリオはシカゴのロンドンクラブに4週間の出演をし、このコール・ポーター作品集を含む一連の「ソングブック・マラソンセッション」はその合間に録音されたとのこと。実質6日間で録音されたようで、まさに「マラソンセッション」である。
 

Cole_porter_song_book

 
しかし、そんなマラソンセッションの産物でありながら、雑なところは全く無い。オスカー・ピーターソンのピアノと言えば、「スイングの権化」と揶揄されるほど、ドライブ感とスケール感溢れる、圧倒的なノリとテクニックを駆使したピアノが個性。

しかし、このコール・ポーター作品集では、そんなダイナミズムだけでは無く、触れば壊れてしまいそうな位に繊細な表現も随所に聴かれる。ダイナミックな面とセンシティブな面が程良くブレンドされて、それはそれは魅力的なピアノ・トリオ盤に仕上がっている。コール・ポーターの作品の持つ歌心と繊細な節回しが好影響を与えているのだろう。

さて、何故、このアルバムが、我がバーチャル音楽喫茶『松和』で、雨の日に特別にCDプレイヤーのトレイに載ることが多いのか。それは、アルバム・ジャケットを見て頂ければ判る。この赤い傘、赤いレインコートを着た女性の絵が、このトリオ盤を聴いた時から、ずっと頭の片隅に残っているからだ。成るほど、合点がいく話である(笑)。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 新メンバーを迎えてRTFライブ | トップページ | 『マシン・ヘッド』40周年記念 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 雨の日にしみじみ聴くトリオ盤:

« 新メンバーを迎えてRTFライブ | トップページ | 『マシン・ヘッド』40周年記念 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー