雨の日にしみじみ聴くトリオ盤
晩秋から初冬にかけての雨は侘びしい。今日は一日、雨降りの我が千葉県北西部地方。日が暮れるのが早いし、今年は寒くなるのが早いし、なんとも侘びしい風情である。
さて、雨の日、特別にバーチャル音楽喫茶『松和』でかかるアルバムが幾つかある。これって、不思議なんだが、一日雨模様の侘びしい日に限って、CDプレイヤーのトレイに載るアルバムが何枚かある。その中の一枚が、Oscar Peterson『Oscar Peterson Plays The Cole Porter Songbook』(写真左)。
名匠オスカー・ピーターソンのコール・ポーター作品集。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)の黄金のトリオ。録音は、1959年の7〜8月。まさに鉄壁の「黄金のトリオ」のコール・ポーター作品集。収録された全12曲、どれも非の打ち所が無い、素晴らしいトリオ演奏である。
ちなみに資料によると、1959年夏、ピーターソン・トリオはシカゴのロンドンクラブに4週間の出演をし、このコール・ポーター作品集を含む一連の「ソングブック・マラソンセッション」はその合間に録音されたとのこと。実質6日間で録音されたようで、まさに「マラソンセッション」である。
しかし、そんなマラソンセッションの産物でありながら、雑なところは全く無い。オスカー・ピーターソンのピアノと言えば、「スイングの権化」と揶揄されるほど、ドライブ感とスケール感溢れる、圧倒的なノリとテクニックを駆使したピアノが個性。
しかし、このコール・ポーター作品集では、そんなダイナミズムだけでは無く、触れば壊れてしまいそうな位に繊細な表現も随所に聴かれる。ダイナミックな面とセンシティブな面が程良くブレンドされて、それはそれは魅力的なピアノ・トリオ盤に仕上がっている。コール・ポーターの作品の持つ歌心と繊細な節回しが好影響を与えているのだろう。
さて、何故、このアルバムが、我がバーチャル音楽喫茶『松和』で、雨の日に特別にCDプレイヤーのトレイに載ることが多いのか。それは、アルバム・ジャケットを見て頂ければ判る。この赤い傘、赤いレインコートを着た女性の絵が、このトリオ盤を聴いた時から、ずっと頭の片隅に残っているからだ。成るほど、合点がいく話である(笑)。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
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