続・ジャズ界の「不思議ちゃん」
これも、ウェインの考えるフリー・ジャズである。宇宙との交信の成果。唯一無二のフリー・ジャズ。ウェインにしか為し得ないフリー・ジャズ。
昨日、ご紹介した「不思議ちゃん」アルバムが『Odyssey of Iska』。もう一枚、あります。ウェインの考えるフリー・ジャズ。そのタイトルは『Moto Grosso Feio』(写真左)。
昨日、ご紹介した『Odyssey of Iska』の前作になる。1970年4月3日の録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ss, ts) Dave Holland (ac-g, b) John McLaughlin (12 string g) Miroslav Vitous (b) Ron Carter (b, cello) Chick Corea (d, mar, per) Michelin Prell (d, per) 。
こちらのメンバーの方が、「不思議ちゃん」アルバムに相応しい。ウェインの考えるフリー・ジャズ。チックもいるし、マクラフリンもいる。ホランドもいるし、ビトウスもいる。これって、かなり錚々たるメンバーでは無いのか。誰もが、マイルス・スクール門下生。ウェインの考えるフリー・ジャズを一番に理解し、一番に相応しい演奏をする。
ウェインがマイルス・バンドを離れて、ウェザー・リポートを編成するまでの間に録音された作品。かといって、このアルバムの内容がウェザー・リポートに反映されたのか、と言われれば「No」。ウェインの考えるフリー・ジャズ。宇宙との交信の成果。唯一無二のフリー・ジャズ。孤高のフリー・ジャズである。
チック・コリアはパーカッション奏者として参加しているところが面白い。限りなくフリーキーで自由な構成・展開と共に、自然界な響きが志向されているところなど、次作の『Odyssey of Iska』のプロトタイプとも言える内容。全編に渡って、リズム&ビートが効いている分、『Odyssey of Iska』よりも、ちょっとポップな内容で、僕は、こちらの『Moto Grosso Feio』の方を良く聴く。
ちなみに、この『Moto Grosso Feio』、日本では長くCDされることは無く、米国でもほんの一瞬、CD化されただけで、CDについては「幻の名盤」化していた。僕は幸運にも音源を所有していたから良かったものの、通常のジャズ者の方々は、この『Moto Grosso Feio』をしっかりと聴いたことが無いのではないだろうか。LPとしても、ファン垂涎のレア盤としても知られる一枚だった。
しかし、朗報がある。この『Moto Grosso Feio』、今年の11月21日に、日本では初CD化されるのだ。思わず、この報に接した時は、思わず喝采の声を上げた(笑)。即、Amazonで「ぽちっ」とな、である(笑)。
これも、ウェインの考えるフリー・ジャズである。宇宙との交信の成果。このフリー・ジャズは唯一無二。ウェインにしか為し得ないフリー・ジャズ。しかし内容の難易度は高い。ジャズ者上級者向け。しかし、このアルバムもウェインを理解するには避けて通れない。
しかし、このウェインの考えるフリー・ジャズを聴けば聴くほど、ウェインにとって、ウェザー・リポートって何だったんだろうって思う。このこれがウェインの考えるフリー・ジャズこそが、ウェインなんだろうけどなあ。この『Moto Grosso Feio』も、ウェインがジャズ界の「不思議ちゃん」たる所以である。いや〜、ウェインってやっぱり、ジャズ界の「不思議ちゃん」ですよね〜。
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