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2012年11月28日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・39

この三連休に帰阪して来た。高校の同窓会に顔を出してきた。そして、大学時代、馴れ親しんだ京都に行って来た。

高校〜大学時代、劇的な人生を送った土地に帰ってきた。その駅に降りれば、あの頃の、僕の一番、多感な頃の想い出が一気に脳裏に蘇ってくる。高校時代、先輩の影響でロックに走り、大学に入って、友人の影響で(まあ、この友人というのが、後で酷い人格の人間だということが判ったんだが)ジャズに走った。

いつも帰阪する度に、高校〜大学時代に聴いた音楽を聴くことにしている。しかも、今回は、時も折しも、大学時代、とっても気に入って、長い間、ヘビーローテーションになったアルバムが久方ぶりに再発になった。そのアルバムとは、Freddie Hubbard『Mistral』(写真左)。

新主流派を代表するトランペッター、フレディー・ハバード。このハバードが、1980年9月に録音したアルバム。ちなみにパーソネルは、フレディ・ハバード(tp,flh)、アート・ペッパー(as)、ジョージ・ケイブルス(p,el-p)、スタンリー・クラーク(b,el-b)、ピーター・アースキン(ds)、ローランド・バウティスタ(g)、ポリーニョ・ダ・コスタ(perc)、フィル・ラネリン(tb)、ピーター・ウルフ(syn)。

このパーソネルを眺める度に思う。いや〜凄いメンバーです。今で言う「コンテンポラリー・ジャズ」な面々です。時は1980年。演奏の雰囲気はフュージョン・ジャズ。しかし、リズム&ビートは純ジャズに通じる、正統派な響きがするもの。決して、フュージョンという流行に安易に乗らず、フュージョン・ジャズのフォーマットに乗って、しっかりと純ジャズのテイストを全面に押し出している。

ジョージ・ケイブルスやビーター・ウルフのエレピの音は爽やかなフュージョンの音なんですが、フレーズは純ジャズなんですよね。スタンリー・クラークのアコベもエレベも素晴らしく純ジャズな響きをしていて、このベースの音は、決して、フュージョンなベースでは無い。
 

Fh_mistral

 
ピーター・アースキンのドラムもそうだ。このドラミング、決して安直なフュージョン・ビートを叩いているのでは無い。フュージョンの衣を纏った純ジャズなビートを叩き出す、素晴らしいドラミングなのだ。このアースキンのドラミングがこのアルバムの雰囲気を支配している。

そして、アート・ペッパーの存在が素晴らしい。純ジャズのアルトの雄、アート・ペッパーがフュージョン・ジャズを吹くって、当時はかなりセンセーショナルな話題を振りまいたものだ。アートも身を落としたもんだ、と揶揄する声もあったし、いやいや、アートがこれだけフュージョン・テイストでキャチャーなフレーズを吹きまくるなんて、と高く評価する声もあったりで、このアルバムが喫茶店でかかる度に話題になったものだ。

はっきりいって、このアルバムでのアート・ペッパーのアルトは素晴らしいです。これ位のバーチュオーゾになると、フォーマットやトレンドは関係無いみたいですね。アートはアートとして、軽やかに印象的にアルトを吹き上げています。その自然体なブロウが、これまた良いんですね。リラックスしたアートのアドリブ。キラキラしていて爽快です。

主役のハバードのトランペットは、当然ながら秀逸。ハバードのベスト・プレイの一枚に挙げられる位に充実したブロウを繰り広げています。様々なテクニックを駆使してのブロウ。フュージョン・トランペッターの貫禄十分。しかし、底には純ジャズのテイストがしっかりと流れていて、実に印象的です。

良いアルバム、懐かしいアルバムです。1980年の録音ですが、今の耳で聴いても決して古くないどころか、今の耳では、現代の優れた「コンテンポラリー・ジャズ」な一枚としても十分に通用する内容です。しかも、このアルバムの1曲目「Sunshine Lady」のイントロと出だしのハバードのトランペットの音を聴くだけで、1980年のあの頃の風景、あの頃の想い出がブワーッと蘇ってきます。

あぁ、なんて懐かしいアルバムなんでしょうか。今回、奇跡的にリイシューされたことを本当に感謝します。なんせ、このジャケット写真を見ただけで、あの頃の風景、あの頃の想い出が甦ってくる。とにかく、素晴らしく内容のある、敢えて言わせて戴きたい、「とびきり硬派なフュージョン・ジャズ」な一枚です。

フュージョン・ジャズなアルバムですが、今回は「とびきり硬派な」というところを全面に押し出して、「ジャズ喫茶で流したい」のコーナーでのご紹介とさせていただきました。安直なフュージョンでは無い、コンテンポラリー・ジャズな一枚としてお楽しみ下さい。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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