懐かしのブレッカー・ブラザーズ
ブレッカー・ブラザーズ(The Brecker Brothers)は、トランペットの兄ランディ・ブレッカーとテナーの弟マイケル・ブレッカー、所謂「マイケル兄弟」によるクロスオーバー/ジャズ・フュージョン・バンドである。1975年にデビューし、1982年に活動を停止。1990年代に再結成し、2枚のアルバムを残す。
フュージョン・ジャズ時代の代表的なバンドの一つである「ブレッカー・ブラザース」。いや〜、フュージョン・ジャズ時代を大学時代にリアルタイムに経験した僕にとって、この「ブレッカー・ブラザース」は実に印象的な、今でも隅に置けないバンドである。
が、なぜか日本では人気はイマイチだったような気がする。どうも、当時のフュージョン・バンドとしては、シンセサイザーやフェンダーローズの様なエレクトリック・キーボードが中心のバンドの方が、日本では受けが良かった。
ウェザー・リポートやリターン・トゥー・フォーエバーやハービー・ハンコックのバンドなどに人気が集中、なぜか、ブレッカー・ブラザーズは、エレ・キーボード中心のバンドの後塵を拝していたような印象が強い。これって僕だけかなあ。
確かに、ブレッカー・ブラザースは、エレ・キーボードの役割は希薄。兄貴のランディ・ブレッカーのトランペットが中心のバンドである、ということは、デビューアルバムの『Brecker Bros.』(写真左)を聴けば良く判る。トランペットのが中心のフュージョン・バンドは受けが悪い。日本では、トランペット中心のエレクトリック・ジャズは「マイルス」のみ。
とにかく、兄貴のランディのトランペットが大々的にフューチャーされている。弟のマイケルのテナーは、このデビューアルバムでは控えめで、兄貴のサポートに徹しているような感じ。
でも、大々的にソロを取る曲になると、そのテナーのインプロビゼーションは、それはそれは素晴らしいものになる。大袈裟に言うわけでは無いが、それまでの演奏の音の雰囲気がガラリと豹変するのだ。それくらいに、マイケルのテナーの個性は素晴らしい。
しかも、である。このブレッカー兄弟の他のメンバーはいかなるものであったのか。Sax:デビッド・サンボーン、Drs:ハーヴィー・メイソン、Bass:ウィル・リー。うへ〜、と思ってしまう。今の耳で聴くと、いやはや、凄いメンバーである。特に、アルト・サックスのサンボーン。マイケルのテナーの大向こうを張って、バリバリ吹きまくっている。躍動的なサンボーン。凄いぜ。
冒頭の「Some Skunk Funk」の演奏の雰囲気が全てである。ブレッカー・ブラザースの音の個性が、この「Some Skunk Funk」にて語り尽くされている。乾いた小粋なファンクネスを漂わせた、タイトなエイトビートに乗って、硬派なフロントのトランペットとサックスのブロウが展開される。そう、このフュージョン・バンド、意外と硬派であり、演奏の展開は意外に「小粋」である。
2007年にマイケルが白血病で死去、実質的にこのバンドは永年停止となる。でも、このブレッカー・ブラザースのアルバムの成果はしっかりと残っている。今回、このブレッカー・ブラザースの全アルバムを手に入れるに至った。しっかりと全アルバムを聴き直してみたい。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
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