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2012年10月 8日 (月曜日)

キャノンボール・アダレイの再来

ジャズ・サックスの世界では、テナーサックス担当が多く、アルトサックス担当は少数派になる。確かに、最近のアルト・サックス奏者という観点で、ワールドワイドに人気、実力共に認められているミュージシャンはかなり数が少ない。

そんな中で、1990年代から密かに注目しているアルト・サックス奏者がいる。ヴィンセント・ハーリングである。ヴィンセント・ハーリング(Vincent Herring 1964年11月19日〜)はアメリカ合衆国ケンタッキー州生まれのジャズ・サックスとフルート奏者。

キャノンボール・アダレイの再来といわれ続けて来たアルト奏者で、力強い吹きっぷりと歌心溢れる吹き回しは、ファンクネスを薄めた、端正でテクニカルな「キャノンボール・アダレイ」という感じである。

如何にキャノンボード・アダレイの再来に相応しいアルト奏者かと言えば、兄(キャノンボール・アダレイ)を失ったナット・アダレイが新しく結成したバンドに見込まれて9年在籍し、一心同体の活躍で人気を博したほどである。弟じきじきの「引き」である。キャノンボールの持つ良い面の全てをヴィンセントは持っていたのである。

そんなヴィンセント・ハーリングの初期の頃のリーダー作に『The Days Of Wine And Roses』(写真左)がある。日本のレコード会社の企画盤で、コッテコテの「ジャズ・スタンダード集」である。その収録曲は以下の通り。
 
 
Vincent_herring_wine_roses  
 
 
1. Star Eyes
2. Body And Soul
3. Dearly Beloved
4. Here's That Rainy Day
5. Smoke Gets In Your Eyes
6. Come Rain Or Come Shine
7. The Days Of Wine And Roses
8. Triste
9. We'll Be Together Again

いや〜、コッテコテのジャズ・スタンダードがズラリと並んで、これはこれで、ちょっと「引き」ますね〜。これだけ、有名なジャズ・スタンダードが並ぶと、プロデューサーやリーダー・ミュージシャン本人の感性を疑いたくなりますね〜。

しかし、このアルバムでは、そんな懸念については全くお構いなしに、ヴィンセントは太くて端正なアルト・サックスを朗々と吹き上げていきます。ヴィンセントのアルトの特徴である「力強い吹きっぷりと歌心溢れる吹き回し」が、スタンダードを題材にした演奏には、もしかしたらピッタリかもしれません。

意外と、聴き易く、聴き応えのあるスタンダード集です。共演者も、ピアノがサイラス・チェスナット、ベースがジェシー・マーフィー、ドラムがビリー・ドラモンド、パーカッションがダニエル・サドウニックと、名うての腕利き揃い。

最初は「なんや〜、超スタンダードをペラペラ吹き続ける、安易なスタンダード集かあ」と、まともに聴く前から食傷気味になるのですが、聴き進むにつれて、意外と内容のある演奏に、襟元を正して聴き直したりする、聴けば聴くほど味のでる「超スタンダード集」な作品だと思います。とにかく、ヴィンセント・ハーリングのアルトの確かな実力に、爽快な聴取感を感じます。良いアルバムです。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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