白い砂浜と木陰とブランコと
1970年代ロックの範疇からは外れるのだが、このアルバムはAORとして、実に懐かしい、優れもののアルバム。この盤も、AOR時代を彩る佳作の一枚である。
1981年リリース。アルバート・ハモンド(Albert Hammond)が、TOTOのメンバーなどの西海岸のミュージシャンをバックに完成させたアルバム。タイトルは『風のララバイ』(写真左)。原題『Your world and my world』が、なぜ、日本語に訳して『風のララバイ』になるのかは判らない(笑)。
「マリン・ブルーが輝く時、オフショアに白い波が咲く。そして、エンドレス・サマーの夢が始まる」という、LP時代の「帯コピー」は時代がかっていて、かなり赤面ものです。よくこんな歯の浮くような文言を平気で並べたものですね〜。
加えて、曲毎の邦題についても「苦笑もの」があって、如何にAORが「雰囲気優先」だったかが判ります。でもな〜、この辺りの邦題はちょっと行き過ぎですよね(笑)。
個人的には、学生時代にとにかく聴きまくった「懐かしのAORアルバム」。ソフト・ロックの佳作としても評価出来る、爽快感溢れる「大人のロック」です。
米国西海岸のシンガー・ソングライターとして、「カリフォルニアの青い空」で一世を風靡したアルバート・ハモンドが、その曲の雰囲気そのままに、当時のAORの流行にのった、全篇に渡るソフト・ロックな、ポップなフィーリングが心地良く、実に雰囲気の良いアルバムである。
AORと並行してパンクが流行っていた時代だが、パンクは好きになれなかった。確かにロックの原点は「反抗・主張・女」なんだが、もうそんな歳でもなかったし、ロックを見限って、ジャズに走っていた頃だったので、ロックと言えば「AOR」。特に、カーステで聴くのは、絶対と言って良いほど「AOR」だった。
このアルバート・ハモンドの『風のララバイ』は、まず、ジャケットが良い雰囲気。そして、内容は、と言えば、あの「カリフォルニアの青い空」そのままのハモンドが、米国西海岸系のAORな演奏にのって、実にオシャレに、ナイーブに歌い紡いでいく。どの曲がどうという訳じゃないのだが、アルバム通しての雰囲気が、僕の好みに実にフィットする。
ちなみに、AORでポップロックな雰囲気を想起させる「白い砂浜と印象的な木陰とブランコ」といったジャケットは、日本制作のジャケットです。米国では全く違ったデザインです(写真右)。これはどう見ても、日本制作のジャケットの方がセンスが良いですね。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
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