伝説的「和製ロック・バンド」
いや〜、やっと涼しくなりましたね〜。いきなり涼しくなったので、体調は最悪です(笑)。さて、今日は、バーチャル音楽喫茶『松和』の懐かしの70年代館、「青春のかけら達」アーカイブの第3回目。
70年代の伝説的「和製ロック・バンド」として、「サディスティック・ミカ・バンド」をピックアップ。このバンドは、1970年代前半を中心に活動し、英国にも進出した、伝説的なロックバンドです。それと、当時のメンバーが、今から振り返って見てみると凄いメンバー。その「凄い」若きメンバー達が作った「奇跡」と言っても良いくらいの名盤をご紹介します。
1973年リリースのデビュー盤『サディスティック・ミカ・バンド』(写真左)。何とも無いトロピカルなジャケット・イラストなんだが、これに騙されてはいけない(笑)。このアルバムの内容といえば、最初から最後まで「驚きの連続」。こんな演奏が、こんなアルバムが、1973年当時に出現していたなんて、とにかく驚きの一言。
冒頭の「ダンス・ハ・スンダ」から、ラストの「サイクリング・ブギ」まで、ある時はカッ飛び、ある時は緩やかに、あるときはファンキーに、ぶっ飛んだ演奏が繰り広げられ、一気に聴かせてしまう。
そのパワーたるや、凄まじい。日本の歌謡曲のテイストをベースとしながら、当時の流行だった「グラムロック」や「ブギー」の要素を取り入れ、しかし、物まねでない、「自分たちのもの」にした、オリジナリティ溢れる「音」が広がる。
作詞は「サイクリング・ブギ」を除いて(この曲の作詞は、つのだひろ)、松山猛が書いている。詞のテーマは宇宙に関したものが多く、おしゃれで「粋」な詞が満載されている。ボーカルのミカは、当時の他の和製女性ボーカルに絶対に無い、オフビートなノリの良いボイスを聴かせる。
それと、良くこのアルバムの演奏を聴いてみると、ついついニヤニヤしてしまうが、ドラムの高橋幸宏は、あの彼独特のビートを既に叩き出しており、高中正義は高中正義で、既にギターの「高中節」の一端を垣間見せている。ふふふっ、「栴檀は双葉より芳し」とは良く言ったものだ。
改めてパーソネルを確認すると、加藤和彦 (g,vo), 加藤ミカ (vo), 高中正義 (g), 小原礼 (b), 高橋幸宏 (ds)。いやはや、今から思うと凄いメンバーやな〜。
高中正義といえば、今やギター・インストの大御所の高中正義だし、高橋幸宏というと、あのテクノバンドYMOのドラムスで有名、小原礼というと、スタジオ・ミュージシャンとしての活動中心の、通好みのベーシストとして勇名を馳せている(細君は尾崎亜美ですね)。加藤和彦と言えば、日本フォーク&ロックの大御所(惜しくも2009年10月急逝)。なんと、加藤夫妻(当時)以外のメンバーは、皆20歳前後だったというから驚き。
いや〜、それにしても恐ろしいバンドだ。今でも十分、通用するどころか、今どきの下手な人気優先のロック・バンドなんか、ぶっ飛んでしまう位の内容。しかし、このバンドの「驚き」は、このファーストアルバムだけでは無かった。次のセカンドアルバムで、「驚き」を「よりいっそう」増幅して、「新たな驚き」を僕達に与えてくれることになるのだ。
大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。
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