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2012年9月23日 (日曜日)

十指に絶対に入る大名盤『黒船』

今日は、バーチャル音楽喫茶『松和』の懐かしの70年代館、「青春のかけら達」アーカイブの第4回目。昨日に続いて、サディスティック・ミカ・バンドの特集。

さて、このアルバムを初めて耳にしたのは、昔、FM大阪で、夕方6時より、田中正美さん(男だよ)がDJをしていた『ビート・オン・プラザ』という番組。この番組は、当時、お金の無い高校生だった僕たちには、大変、貴重な番組だった。なんせ、新譜のLPを、ほぼ、全曲紹介してくれるのだから・・・。

当時は、FM放送のエアチェックが全盛で、良くカセットテープに録ったもんだった。この番組、当時、ロックといえば、海外アーティストが全てで、日本のアーティストなんて取り上げるはずもなかった。のであるが、1974年、確か秋だったと記憶している、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』(写真)が、突如、取り上げられたのである。

当時、日本のアーティストなんて、これっぽっちも期待していなかったのだが、何故か良さげな予感がして、エアチェックして夜中に聴いた。その時のショックといったら、一言では言い表せない「大ショック」だった。

タイトルからして『黒船』。あの幕末、ペリーが浦賀に来たというあの『黒船』。そう、全編に渡って、『黒船来襲』をモチーフにした、幕末の雰囲気をロックで表現した「コンセプトアルバム」だったのだ。それも、日本人だけのメンバーで、ロックシーンで有名なプロデューサーだったクリス・トーマスを迎えて、堂々と世界に通用するロックを演っている。当時のロックの代表的テイストである「グラムロック」や「プログレッシブロック」的なテイストを振りまきながら、個性を煌めかせている。

それだけでではない。全編、歌詞は日本語なのだ。ロックのビートにノリにくい言語とされていた日本語が、ロックのビートにのってきらめいている。まあ、一度、聴いてみて下さい。ちなみに収録曲は以下の通り。
 

Smb_blackship

 
1. 墨絵の国へ
2. 何かが海をやってくる
3. タイムマシンにおねがい
4. 黒船(嘉永6年6月2日)
5. 黒船(嘉永6年6月3日)
6. 黒船(嘉永6年6月4日)
7. よろしくどうぞ
8. どんたく
9. 四季頌歌
10. 塀までひとっとび
11. 颱風歌
12. さようなら

 
改めてパーソネルを確認すると、加藤和彦 (g,vo), 加藤ミカ (vo), 高中正義 (g), 小原礼 (b), 高橋幸宏 (ds)。

こんな凄いメンバーがバックを務めるのである。一人だけでも凄い才能の持ち主である加藤和彦が、何倍にも輝くのも当たり前だと改めて納得する。それにしても、加藤和彦のボーカルの個性的で心地良いことこの上無し。加藤和彦のリズムギターも結構エグいリズムラインを叩き出していて、高中正義のギターの才能を増幅させていることが良く判る。

しかしまあ、ドラムの高橋幸宏、ギターの高中正義のプレイが凄い。後に独り立ちして、この後日本のポップス界を急激に進化させることになる二人が、後の個性的なプレイスタイルを、このアルバムで既に完成させていることに驚く。そして、小原礼のベースが目立たないが実にエグいベースラインを弾きまくっている。今井裕のキーボードは実に理知的で効果的。

改めて何度か聴き直してみて、この『黒船』は、日本のロックの奇跡ですね。本当に奇跡的なアルバムです。これだけのメンバーが集結したのも奇跡的ですし、これだけのメンバーが結束して、この組曲アルバムを完成度高く最後まで仕上げたことも奇跡的です。プロデューサーのクリス・トーマスの当時の手腕にも感心することしきり。コンセプト・アルバムとしてのクオリティは見事の一言。アルバムを今の耳で聴いても、全く古びた感じがしないのは素晴らしいの一言。

日本の70年代のロックの十指に絶対に入る名盤と断言する。個人的には、LPのA面を占めていた1〜6曲目の展開が大好き。とりわけ、3曲目は名演。6曲目は、高中の当時のギターを堪能できる。今、聴いても飽きがこない素晴らしいアルバムだ。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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