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2012年9月16日 (日曜日)

伝説の和製プログレ『四人囃子』

懐かしの70年代館「青春のかけら達」の、ホームページ移行の為のアーカイブ・その1。加筆修正を加えてのブログアップです。

「四人囃子」というバンド名を知っている人がどれだけいるだろう。特に、若い世代、今の10〜20歳前半の世代で知っている人はどれだけいるだろう。今を去ること、30年以上前、海外でロックが大ブレイクしていたが、日本では歌謡曲が主流で、ロックなんぞは、まだまだ海外レベルのものは無く、日本人が、海外のロックに強いコンプレックスを持っていた時代・・・。

そんな日本に、そんな時代に、20歳そこそこのメンバーで構成されたロックバンドが出現した。そのバンドは、ロックのジャンルに照らし合わせると、プログレッシブロック(以下プログレと略す)のジャンルに位置し、そう、僕の大好きな「プログレ」のバンドが日本でも出現したのだ。

しかも、みんなも聴いてみればいい、ハイテクニックで、構成にすぐれ、歌詞は観念的で、全体的に幻想的。プログレの全ての要素がそこにあり、その演奏は素晴らしいものがあった。僕が、始めて、海外のロックに対して、日本人として、自信を持ったのが、この「四人囃子」の出現だった。

今日と明日で、「四人囃子」の数あるアルバムの中から、松和のマスターの大好きな2枚をご紹介する。ネットショップで十分、入手できるCDなので、一度は、皆さんに聴いてもらいたいね。ほんとに。

昔、高校時代(2年生だったかな)に、このアルバムを聴いたとき、ちょっぴり日本人として誇らしく感じたことを覚えている。そのタイトルは『一触即発』(写真)。  
Yonin_bayashi_issyoku_sokuhatsu
  
僕の高校時代は、日本の音楽シーンはまだまだ幼稚で、世界の音楽シーンからは大きく遅れていた。世界に通用するどころか、日本の中でも通用するロックバンドなんてほとんど無かった。そんな環境でのこの『一触即発』。

1970年代前半から中盤にかけて、世界のロックシーンは最初の全盛期を迎えており、僕は、その中でも、プログレッシブ・ロック(以降プログレと略す)がお気に入りだった。特に、当時のプログレは、録音技術・演奏テクニックともにずば抜けており、まず、日本人には暫くは無理だろうな、と諦めてきた矢先の『一触即発』。

いや〜、最初、聴いてタマゲタね。まず、思ったのが、「これは、完璧にプログレやん」。観念的な歌詞・電子楽器を活用駆使した幻想的な音・交響曲的な長い演奏など、プログレとジャンルされるために必要な要素を完璧に兼ね備えていた。しかも、歌詞は全て日本語(エライ!)で、違和感があまりないことが嬉しかった。

次に思ったのが「これ、ピンクフロイドと比較しても負けへんぞ。イエスには負けるけど」。つまり、録音技術・演奏テクニック・曲想が、世界のプログレのレベルに達していたのだった。当時の日本のロック・シーンを考えると、日本で最高の録音技術・演奏テクニックを兼ね備えている数少ないバンドの1つであることは間違いない。

それから思ったのが「このアルバム、リピートに耐えるやん」。それぞれの曲がメロディアスで、聞き易く、プログレにありがちな「前衛的な」「実験的な」独りよがりな曲が無いのだ。つまり、何度も聴き込めるプログレのアルバム、つまり、ピンク・フロイドやイエス、EL&Pなどのアルバムと肩を並べることのできる「プログレ名盤」として十分な内容を備えていた。

1970年代の海外のロックファンで、プログレが好きな人、好きだった人は、一度、この和製プログレバンドの名盤を聴いてみて下さい。決して後悔させませんぜ。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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