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2012年9月11日 (火曜日)

小曽根 真『Live & Let Live』

今日は9月11日。まず、東日本大震災から1年半。そして、アメリカ同時多発テロ事件から11年。かたや地震が原因の悲劇的な自然災害。そして、かたや悲劇的な人災。9月11日は複雑な気持ちに一日揺れる、我々にとって「忘れてはならない日」である。

3月11日、9月11日には、心して、東日本震災復興の為のチャリティー・アルバムを聴くようにしている。多くのチャリティー・アルバムが、その収益の全て、若しくは一部が寄付されている。ジャズにおける、東日本震災復興の為のチャリティー・アルバムは内容の濃いものが多い。内容に期待し、そして、チャリティーにも貢献する。ジャズを聴く側から、僕が出来ることは、まず「これ」だと思った。

今回、聴いたアルバムは、小曽根真&Friends『Live & Let Live - Love For Japan』(写真左)。小曽根真の呼びかけで世界のトップ・ミュージシャン達が東日本震災復興のために集結したチャリティー・アルバムである。このチャリティー・アルバム製作の経緯を、小曽根真のインタビューから抜粋すると・・・、

「自分に出来ることは何だろう、何をすべきなんだろうと、ずっと考えてきました。そんな時、妻が「良い音楽を創ること、CDを創ること、それが被災されたみなさんの役に立つように」と、ぽんと背中を押してくれました」

「長年親しくしているミュージシャン達に呼びかけのメールを送りました。すると、ものすごいスピードで反応が。早い人ではものの2分で返事が・・・。みんな、日本のために何かしたいと考えてくれていたので、コトはとんとん拍子に進んでいきました」

良い話ですね。ジャズを演奏する側から出来ることは、確かに「これ」である。ちなみにこのアルバムに参加してくれたミュージシャンは、以下の通り。短期間によくこれだけのメンバーが集まった者ものだ、と感心します。スケジュールの調整が大変だったでしょうね。皆、売れっ子ミュージシャンですものね。

チック・コリア(p), 小曽根真(p), ゲイリー・バートン(vib), アナ・マリア・ヨペック(vo), クリスチャン・マクブライド(b), ジェフ・テイン・ワッツ(ds), ジェイク・シマブクロ(ukulele), ランディ・ブレッカー(tp), ゲイル・モラン・コリア(vo), パキート・デリヴェラ(cl), Zach Brown(b), Eric Doob(ds), Fung Chern Hwei, Gregor Huebnet,Rachel Golub, Jesse Mills, Cyrus Beroukhig & Andrea Oey(vl), Aleksandr Nazaryan & Ronald Laurence(vla), Leigh Stuart & Rubin Kodheli(vc), 神野三鈴(vo)。
 

Live_and_let_live

 
さて、このチャリティー・アルバムの内容はと言えば、短期間に集まって、えいやッで作ったアルバムなので、収録された曲の雰囲気やコンセプトは見事にバラバラなんですが、一聴するとバラバラな演奏なんですが、不思議と底に漂う雰囲気には統一感があるように感じます。「日本へ元気を、エネルギーを」という強い気持ちが、どの演奏にも流れている、そんな感じがして、意外とこのアルバムは全体を通して楽しめる内容になっていると僕は感じます。

チック・コリア(p), 小曽根真(p), ゲイリー・バートン(vib)の変則トリオが奏でる、1曲目「ブルー・ボッサ」は名演です。チックとバートンのデュオは、もはや超有名ですが、ここに小曽根が参入。ただでさえ複雑で難易度の高いデュオ演奏を、ピアノ2台で平然と奏でていきます。凄い演奏やなあ。

4曲目の「ヴァリエーションズ・オン・ア・ダンス」は、ジェイク・シマブクロのウクレレと小曽根真のピアノの「異色のデュオ」。ウクレレとピアノだけでこれだけの表現が可能なんだ、ということを初めて知りました。素晴らしく高度で豊かなデュオ演奏だと思います。

2曲目「クヤヴィアク」でのポーランドの歌姫アナ・マリア・ヨペックの癒しの熱唱、6曲目「サマータイム」でのゲイル・モラン・コリアのコンテンポラリーな熱唱も見事です。 そして、熱唱といえば、ラストの「ふるさと」。リーダーの小曽根真の奥さんである女優の神野三鈴のヴォーカルです。

兎追いし 彼の山  小鮒釣りし 彼の川
夢は今も 巡りて  忘れ難き故郷

如何にいます 父母 恙無しや 友がき
雨に風に つけても 思ひ出づる 故郷

志を 果たして いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷 水は清き 故郷

この「ふるさと」は日本人の心の吟線に触れる旋律と歌詞を持っていて、いつも聴いているとなぜか心にジーンときます。このアルバムでの演奏は厳密にはジャズとは言えませんが、それでも、やっぱり心にジーンときます。そう、僕達の故郷は「日本」。被災された東日本の皆さんが元気な、笑顔のある日常を早く取り戻せるよう、心から願っています。まだまだ復興は半ば。被災の現状は決して終わっていません。

ちなみにアルバム・タイトルの「Live & Let Live」は「自分も生き他も生かす, 互いに許しあって生きていく」の意。持ちつ持たれつ、という意も感じる、なかなか良い言葉です。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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