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2012年9月 1日 (土曜日)

AOR好きにとって定番中の定番

1970年代後半、ある日突然、降って湧いたように出現し、ロック・シーンを席巻したAOR。恐らく、日本独特の音楽ジャンル言葉だと記憶しているが、ここでのAORとは「アダルト・オリエンテッド・ロック」の略である。

1970年代後半に出現した「AOR」と呼ばれた新しいロックの形態。そこはかとなくファンクネス香る「ソフト&メロウ」な音作り。ジャズのフレーバーが、そこかしこに漂うクロスオーバー的なサウンド。そして、卓越した優れた演奏力が加わって、所謂「大人のロック」を現出している。アウトローな、反抗の象徴の様な、メッセージ性を帯びた従来のロックでは無い、都会的で大衆的でソフィストケートされたロックという形容が当たっているのではないか、と思います。 

1970年代後半と言えば、僕は大学時代真っ只中。ドライブミュージックやリゾートミュージックとして、はたまた、ジャズの聴き込みの合間に、このAORのアダルトでメロウな雰囲気に、ドップリと浸っていましたねえ。
 
こんな商業主義的で大衆的なロックに浸りきってええんか、と自分を責めながらも、このAORの心地良いサウンドに惹き込まれていました。まあ、やはり曲が良くて演奏が良かったんで、それはそれで仕方が無いことだったということで・・・(笑)。

AORの名盤は、と問われれば、まず、このBobby Caldwell『Evening Scandal』(写真左)を挙げます。このアルバムは、ボビー・コールドウェルの1978年のデビュー作。
 
Bobby_caldwell
 
もともと原題は『Bobby Caldwell』と記憶していますが、今では『Evening Scandal』の方が通りが良いようです。どうもこの『イブニング・スキャンダル』は、日本でのアルバム発売時の邦題だっだようですね。

当時、シングルカットされてヒットした「Special To Me」や「What You Won't Do For Love(風のシルエット)」といった、リズミカルでソウルフルな曲を聴けば、もう気分は「AOR」=「大人のロック」である(笑)。特に「風のシルエット」はクールでジャジーなサウンドと渋いボーカルが特徴で、ジャズやフュージョンの曲と同列で繰り返し聴いていた。

今の耳で聴いても、とにかく都会的でソフィストケートされた、ボビー・コールドウェルの独特な声と切ないメロディがとても心地良い。当時は、AORとフュージョン・ジャズを分けて聴いてはいたが、今の耳で聴くと、同じ性質、同じ方向性を持った音なのでは、と思う。ジャズに寄ったら「フュージョン・ジャズ」、ロックに寄ったら「アダルト・オリエンテッド・ロック」という感じだ。

アルバム・ジャケットも、実に「AOR」していて、ボビー・コールドウェルのAORな音が聴こえてきそうな、なかなか優れもののジャケット・デザインだと思います。そうそう、AORのアルバム・ジャケットって、そこはかとなく「粋」で「洒落た」ものが多いんですよね〜。

AOR好きにとっては定番中の定番であるこのアルバムは、AORというジャンルのロックの特徴・個性がギッシリと詰まっています。つまり、このBobby Caldwell『Evening Scandal』は「AORとは何か?」という質問への返答に持ってこいのアルバムです。う〜ん、これはこのアルバムを聴いて貰わなければ判らんかもしれんなあ。

 
 

大震災から1年半が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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