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2012年8月 7日 (火曜日)

どちらが主役か判らない...w

ジョー・ベック(Joe Beck)。エレクトリック・ジャズ・ギタリスト。エレクトリック・マイルスの最初のエレクトリック・ギタリスト。恐らく、ギル・エバンスの紹介だろう。但し、何回かのセッションに参加した後、マイルスの下を離れてしまう。体調不良(病気)が理由だと聞く。
 
マイルスがエレクトリック・マイルスの世界で、ギタリストに要求したことは「ロック・ギタリストの様に弾け」。確かに、ジョー・ベックのエレクトリック・ギターの奏法は「ロック・ギタリスト」そのもの。しかし、その根底に流れる雰囲気は、紛れもなく「メインストリーム・ジャズ」。
 
そんなジョー・ベックの初リーダー作『Beck』(写真左)。1975年3月・6月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Beck (g), Steve Khan (g), David Sanborn (as), Don Grolnick (key), Will Lee (b), Chris Parker (ds), Ray Mantilla (per), and strings。フュージョン・アルトの雄、デヴィッド・サンボーンの参加が目を惹く。
 
1975年と言えば、クロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズへの移行期。そんなフュージョン・ジャズへの移行期、そのトレンドを引っ張ったレーベルが「Kuduレーベル(=CTIレーベル)」。総帥クリード・テイラーが率いる、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズを牽引したジャズ・レーベル。
 
現代のスムース・ジャズの先鞭をつける「ソフト&メロウ」な音作り。そこに一本芯を通した様に響くタイトなリズム&ビート。決して甘さに流されない、シッカリとジャズの範疇に根を下ろした、聴き心地の良い、それでいてシッカリとジャジーな雰囲気をキープした音作り。そんな「音作り」の個性が。Kuduレーベル(=CTIレーベル)の真骨頂。このアルバム『Beck』には、このKuduレーベル(=CTIレーベル)のトレンディーな音がギッシリと詰まっている。
 
Beck
 
徹頭徹尾、Kuduレーベル(=CTIレーベル)の音が詰まっているアルバムではあるが、このアルバム、主役は誰か判らないところがあって、そこが面白い。リーダーはジョー・ベック。ジョー・ベックはエレクトリック・ギタリスト。しかし、ジョー・ベックのエレギは、演奏される楽器の目立ち具合からすると、全体の3割くらいしか「目立っていない」。
 
後の「7割」、目立っているのは誰か。フュージョン・アルトの雄、デヴィッド・サンボーンである。サンボーンのアルトが、このアルバムの中でダントツに目立っている。全編に渡って、自由奔放にエモーショナルに、サンボーンをアルトを吹きまくっている。このアルバムでのサンボーンは、絶対に「聴きもの」だ。
 
このアルバムに出会ったのは、ジャズ者初心者駆け出しの頃は1978年、時はフュージョン全盛時代。そんな中、このアルバムのスムース・ジャズの先駆の様な内容は直ぐに気に入った。当時、ヘビー・ローテーションだったアルバムである。そして、一番、印象に残っているのは、リーダーのベックのエレギでは無く、サンボーンのアルト。しばらくの間、このアルバム、サンボーンのリーダー作と勘違いしていた位であるw。
 
フュージョン・ジャズとして、佳作な内容のアルバムです。リーダーのベックの「ロックの様なエレギ」は確かになかなかのものなんですが、如何せん、アルトのサンボーンが目立ち過ぎ。ベックとサンボーン、どちらが主役か判らない、不思議なアルバムです。まあ、どちらかと言えば、若かりし頃のサンボーンの奔放なアルトを楽しむことが出来るアルバムと位置づけたほうが、座りの良い盤でしょう。
 
とにかく、「Kuduレーベル(=CTIレーベル)」な音作りが楽しい、フュージョン・ジャズの佳作な盤として、フュージョン者の方々にお勧めです。フュージョン時代の懐かしい音作りがギッシリと詰まっていて、なかなかに楽しめます。 
 
 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

 
 
 

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