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2012年8月22日 (水曜日)

ロックからジャズへのアプローチ

昨日のブログで、サザン・ロックのアルバムが話題になったので、今日はサザン・ロックのギタリストの「現代のジャズ・ロック」なアルバムをご紹介したい。

サザン・ロックの中で一番有名なバンドと言えば「オールマン・ブラザース・バンド(略してオールマンズ)」。ジョージア州メイコンを拠点にした、コッテコテのサザン・ロックなバンド。何度かのメンバーチェンジや再結成、再々結成を経つつ、現在も活動中のサザン・ロックの老舗中の老舗の、サザン・ロックの代表的なバンドである。

そのオールマンズ。ギタリストの一人が「デレク・トラックス(Derek Trucks)」。1979年6月生まれ。今年で33歳の中堅どころ。サザン・ロックのギタリストのキャッチフレーズである「スライド・ギター」の天才として知られる。オールマンズの伝説的リーダー・ギタリスト、デュアン・オールマンの再来と言われる。確かにそうだ。凄まじい「スライド・ギター」は、デュアン・オールマンの後継に相応しい。

そして、このデレク・トラックス。ロック・ギタリストとしての範疇に名を連ねるが、彼の音楽性はそんな単純なものでは無い。まず第一にブルースにかなり精通している。そして、マイルス・デイヴィスの「So What」やジョン・コルトレーンの「Mr P.C」をカバーするなど、メインストリーム・ジャズにも精通する。加えて、インド・アラブ音楽などにも造詣が深く、ロック・ギタリストの範疇に留まらない、かなり幅広な音楽性を備えている。

そんなデレク・トラックス。今から5年位前になるだろうか。再々結成後、トラックスの在籍するオールマンズのアルバムは所有しているが、トラックスのソロ・アルバムは所有していない。これは片手落ちだろう、ということで、数々のソロ・アルバムの中で、いの一番に選んだアルバムが『Soul Serenade』(写真左)。2003年にリリースされた盤になる。

なぜ、このアルバムを「いの一番」に選んだのか。答えは簡単で「ジャケットが素晴らしかったから」。サザン・ロックのソロ・アルバムという雰囲気で、デレクのソロ・アルバムを選び始めたら、このアルバムのジャケット・デザインに目が釘付けになった。何て言ったら良いのだろう。これぞ米国南部、って雰囲気のジャケ写真なのだ。そこに写っている女の子の姿も魅力的。

Soul_serenade

そして、この米国南部の雰囲気が満載のジャケットを戴く、デレク・トラックスの『Soul Serenade』は、僕にとって、はっきり言って「大当たり」の盤だった。

冒頭の「Soul Serenade / Rasta Man Chant」から、コンテンポラリーなジャズの雰囲気が満載。出だしは、米国ルーツ・ロック的な雰囲気から始まるが、途中「Rasta Man Chant」にメドレーする辺りから、コンテンポラリー・ジャズの雰囲気が満載となる。

デレクの魅力的な「スライド・ギター」で奏でるコンテンポラリー・ジャズ。本家ジャズの世界では決して存在しないギターの音色のコンテンポラリー・ジャズ。ロックからジャズへのアプローチだからこそ体験できる、ジャズでは「あり得ない」ギターの音色。

2曲目の「Bock To Bock」など硬派でストレートなコンテンポラリーなジャズ風な演奏だし、3曲目の「Drown In My Own Tears」のコッテコテのブルースは、思わず、ドップリとその雰囲気に浸ってしまう。そりゃそうだろう。レイ・チャールズで有名なR&Bナンバーである。実に心地良い感覚。4曲目「Afro Blue」、そして5曲目の「Elvin」と明らかにジャジーでジャズ・ロックな曲を思わせる演奏が続く。事実、この2曲は、実に質の高いコンテンポラリー・ジャズの演奏。思わずビックリしてしまう。

しかし、極めつけは6曲目の「Oriental Folk Song」だろう。ウエイン・ショーターの楽曲のカバー。実にテンションの高い、実に内容の濃い、素晴らしい内容のコンテンポラリー・ジャズがここにある。思わず聴き惚れる。しかし、なんてユニークなギターの音なんだろう。この「スライド・ギター」な音色は、決して、純ジャズの世界では体験できない。サザン・ロックとジャズの邂逅。他流試合の「良き化学反応」の一例だろう。

オールマン・ブラザーズ・バンドのドラマーのブッチ・トラックスの甥っ子で、あの「デレク&ドミノス」から名前をもらった、デレク・トラックス。僕はデレクの「ジャジーな感性」が大好きです。サザン・ロックな音色を駆使しての「現代のジャズ・ロック」。

実に個性的で、実に内容の濃い音世界。このアルバム『Soul Serenade』は、ロックからジャズへのアプローチから現れ出でた「現代のジャズ・ロック」なアルバムの秀作の一枚です。 

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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