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2012年8月30日 (木曜日)

不思議な雰囲気のギターである

不思議な雰囲気のギターである。国籍不明、ジャンル不明な、ちょっと「ヘタウマ」なギター。初めて聴いた時は「???」。なんやこのギターは、って感じで狼狽えていた(笑)。Gabor Szabo『Macho』(写真左)である。

邦題は『ハンガリアン・ラプソディー』。副題は「ボブ・ジェームス フィーチャリング ガボール・ザボ」。日本のレコード会社は「あざとい」。ガボール・ザボのリーダー作なのに、メジャーで無いガボール・ザボの名を最初に語らずに、当時、既にメジャーだったボブ・ジェームスを頭に持ってきている。ガボール・ザボ本人が知ったら怒るだろうな〜(笑)。

この邦題の『ハンガリアン・ラプソディー』、僕にとっては、欧州でありながらも東欧のエキゾチックな雰囲気がプンプンして、何も考えず思わず手に入れた。当時、まだジャズを聴き始めて2年目のジャズ者初心者。何が良くて何が悪いかなんて全く判らない。ついつい邦題の雰囲気につられて購入に至った。

しかし、聴き始めて「???」。バックの演奏は、一流のフュージョン・ジャズ。基本はジャズ。そんなジャジーなリズム&ビートに乗って、出てくるギターは、全くジャジーでは無いギター。ジャジーでも無ければ、ロックでも無い。はたまたクラシックでも無い。そこはかとなくマイナーな響きだけが、ちょっとだけ「ジャジー」。国籍不明、ジャンル不明な、ちょっと「ヘタウマ」なギター。

それがGabor Szabo(ガボール・ザボ)のギター。ガボール・ザボって1936年生まれのハンガリー出身のギタリスト。ジプシー特有のフィーリングのプレイが特徴。

不思議なギターである。従来のスタンダードな、ジャズ・ギターの音色がしないし、展開やフレーズも、従来のジャズ・ギターの伝統を全く引き継いでいない。どう聴いても「ジャジー」では無いギター。ちょっとマイナーな響きが特徴。このマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて、ガボール・ザボのギターをあからさまに「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。
 

Macho

 
全くジャジーな雰囲気の伴わない不思議なギター。一流のフュージョン・ジャズのリズム&ビートにのって、そんな不思議なギターがパキパキと硬質なフレーズをもって、良い意味で「のらりくらり」と展開していく。実に伸びやかでリラックスした硬質なフレーズ。ちょっと「ヘタウマ」でパッキパキな「トレモロ」奏法などは、明らかにこれは「ガボール・ザボ」の個性である。

アレンジはCTIレーベル御用達のボブ・ジェームス。流麗でフュージョンなボブ・ジェームスのアレンジは、全くフュージョン的ではないガボール・ザボのギターを、とことん「際立たせる」。フュージョン・ジャズとは「融合」のジャズ。ハンガリアンなジプシーなギターをフュージョン・ジャズ化させていく。

ちなみにパーソネルは、Louis Johnson (b), Harvey Mason (ds), Eric Gale, Gabor Szabo (g), Bob James (key), Tom Scott (ts), Idris Muhammad, Ralph MacDonald (per), George Bohanon (tb), John Faddis (tp)。バックのリズム・セクションは、フュージョン・ジャズの腕利きばかり。バックで、ガボール・ザボのギターを楽しみながら、ガボール・ザボのギターを際立たせる職人芸。

アルバムを全体を聴き通せば、明らかにこの『Macho』というアルバムは、内容的にフュージョン・ジャズの優れものであることが良く判かる。そして、ガボール・ザボのギターが、如何にジャズから外れているか、フュージョン・ジャズから外れているかが良く判る。それでも、アルバム全体の雰囲気は、聴いて楽しい「フュージョン・ジャズ」。

ハーレー・ダビッドソンのエンジンが格好良いジャケット・デザインとこのアルバムの内容とは全く関連性が無い(笑)。アルバム・タイトルの『Macho』も、なぜそういうタイトルになったのかが全く理解出来ない(笑)。

「Macho」とは「男らしい,男っぽい」の意。でも、このアルバムの内容は、決して「男らしい,男っぽい」内容では無い。どちらかと言えば哀愁漂うジプシーチックなもの。リーダーのガボール・ザボのギターを始めとして、何から何まで良く判らない不思議なギターのアルバムである。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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