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2012年8月26日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・36

今日は、全くもって久し振りに「ジャズ喫茶で流したい」特集の第36回目。約半年ぶりになります。(ちなみに、この「ジャズ喫茶で流したい」特集は、ブログの右にある「カテゴリー」にエントリーしてありますので、過去の記事はこの「カテゴリー」から検索して下さいね)

さて、何も、ジャズ入門本、ジャズ盤紹介本、ジャズ雑誌の特集で紹介されたアルバムだけが優れた内容の盤では無い。ジャズ入門本、ジャズ盤紹介本、ジャズ雑誌の特集では、ほとんど、というか、全く紹介されない盤の中に「隠れ名盤」と呼ぶに相応しい、素晴らしい内容のジャズ盤が多々ある。

そんな、ジャズ入門本、ジャズ盤紹介本、ジャズ雑誌の特集では、ほとんど、というか、全く紹介されない「隠れ名盤」と呼ぶに相応しい、素晴らしい内容のジャズ盤は、ハードバップの時代(1950年代半ば〜1960年代前半)に録音されたものが確率的に多い。

例えば、このClark Terry(クラーク・テリー)の『Serenade To A Bus Seat』(写真左)もそんな「隠れ名盤」な一枚である。ちなみにパーソネルは、Clark Terry (tp); Johnny Griffin (ts); Wynton Kelly (p); Paul Chambers (b); Philly Joe Jones (ds)。1957年4月27日の録音。

クラーク・テリーと言えば、マイルス・デイヴィスの大きな影響を与えたということで有名なトランペッター。1920年生まれなので、マイルスより6つ年上。ハードバップ時代には、35歳〜45歳と中堅トランペッターとして君臨していた計算になる。

その割に、ハードバップ時代の代表的トランペッターとして、その名が挙がることはほとんど無い。このクラーク・テリー、ジャズ界で活躍した経歴も長く、録音したリーダー作も多々あるのだが、その割にジャズ者の方々の中では、あまり、というか、ほとんど名前の挙がらないトランペッターである。

数多くのリーダー作を残しているにも関わらず、決定的なリーダー作や決定的な名演について、「これっ」と言ったものが無いので、そういうところから、クラーク・テリーは、ジャズ者の方々にとっては、頻繁に聴かれるトランペッターではないのかもしれませんね。
 

Clark_terry_serenade

 
しかし、この『Serenade To A Bus Seat』は違います。というか、この『Serenade To A Bus Seat』って、クラーク・テリーの決定的なリーダー作、決定的な名演に挙げて良い、素晴らしい内容のハードバップ盤です。なんや、クラーク・テリーにも、決定的名盤ってあるやんか。

フロントの相棒に、リトル・ジャイアントと呼ばれた、ジョニー・グリフィンを採用して、クラーク・テリーと双頭フロントを形成しているのですが、この双頭フロントが実に良い。音色といい、フレーズといい、相性抜群のトランペットとテナーの双頭フロントです。ソフトで暖かなフレーズが身上のテリーに、豪腕なハード・ブローで攻めるグリフィンとのコントラストが実に「ハードバップ」しています。

リズム・セクションはと見渡すと、これまた、実に渋いリズム・セクションの選択です。ピアノには、そこはかとなく哀愁を帯びた健康優良児的ハッピー・スインガーのウィントン・ケリーを配し、ベースには、当時、ファースト・コール・ベーシストであったポール・チェンバースを持ってきています。そして、ドラムには、アグレッシブでダイナミックなハードバップ・ドラマー、フィリー・ジョーが座ります。このリズム・セクションって、良く見れば、マイルス・スクールの出身で、その演奏の質については、かなり高いものがあります。 

このパーソネルを見るだけでも、このアルバムの内容については十分に期待できますね。悪かろうはずがありません。スタンダード、パーカーナンバー、オリジナルと、バランス良く揃った選曲も良くて、演奏全体の雰囲気は、程良くチャーミングなフレーズを織り交ぜながらも、演奏の基本は「バッピッシュ」。

良いアルバムです。何故が理由は判りませんが、ほとんど、ハードバップ時代の名盤には名を連ねることは無いアルバムですが、内容は実に良い、絵に描いた様なハードバップな音が体験できる優秀盤だと思います。

全編に渡って聴き易い演奏が詰まっていて、ジャズ者初心者の方々にもお勧めです。暫く、なかなか入手し難かった盤ですが、2009年に「KEEPNEWS COLLECTION」として24Bitリマスターとしてリイシューされて、音も圧倒的に良くなって、入手し易くなりました。

そして、最後に、このアルバムのジャケットが秀逸。なんて素晴らしいジャケット・デザインなんでしょう。この近代絵画の様な、バランスの取れた、印象的なアルバム・ジャケット。このジャケットが、1957年に録音された、ハードバップな演奏が詰まったアルバムのジャケットに採用されているのですから、やっぱり、ジャズってなんだか、実にアーティスティックですよね〜。このジャケット・デザインには、いつも見る度に感心させられます。

 
  

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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