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2012年6月28日 (木曜日)

やっぱりスティービーは天才だ

このアルバムを聴いた時、僕は「やっぱり、この人は天才だ」と改めて思った。このアルバムには心底、感動した。凄いと思った。なんだか別次元の音世界を体験した感じになった。

そのアルバムとは『Fulfillingness' First Finale(ファースト・フィナーレ)』(写真)。1974年のリリース。スティービーのなんと、17作目のオリジナル・アルバム。ジャケットデザインと共に、その内容も含めて、申し分の無いアルバム。

前作『Innervisions』を聴いた時も「この人は天才だ」と思った。アルバムを聴きながら「なんやこれは」を連発した。前作の『Innervisions』は「動」の世界。次々と傑作を発表し続ける、怖い者無しの快進撃を続けるスティービー。その圧倒的な自負をもって、どや顔なスティービー。堂々とした「動」の世界。

しかし、その次作『Fulfillingness' First Finale』は「静」の世界。そこはかとなく流れる「諦念感」にも似た静かな感情の世界。ファンクネス溢れる曲の底にも、静的な冷静な音世界が横たわっている。その「諦念感」にも似た静的な感情の世界。これが、実にアーティスティックであり、実にクール。R&B、ソウル・ミュージックの音世界を全く別次元の音世界へと誘ったスティービーの傑作。

First_finale

その「諦念感」にも似た静かな感情の世界には理由がある。その「動」の世界の傑作『Innervisions』発売後、スティービーは生死に関わるほどの大きな事故に遭う。幸いにも一命は取り留め、後遺症等の多くの不安を抱えながらも、創作活動に復帰し、この『Fulfillingness' First Finale』を完成させた。

生死に関わるほどの大きな事故の体験。「死」なんて考えてもみなかったところに、いきなり急に体験した「死」の感情。その「もうだめかも」という状態から幸いにも復帰して、創作活動に復帰した訳だが、その底に感じる「諦念感」。僕も、昨年11月に同様の経験をしたので、本当に良く理解出来る。

しかし、その「諦念感」にも似た静かな感情の世界こそが、このスティービーの傑作『Fulfillingness' First Finale』を、それまでのソウル・ミュージックの傑作の数々を遙かに超えた、全く別次元の音世界を宿した、傑作アルバムに昇華させた。

自然体でリラックスした、包み込むような大らかな展開。独りよがりにならない、聴いていて心地良い、キャッチャーなフレーズとアレンジ。創り手と聴き手が一体となるような、リズム&ビート。べたな表現をすると、このアルバムでのスティービーの音世界は「神の領域」に一歩足を踏み入れたような、そんな神々しさがある。

このアルバムを聴いた時、僕は「やっぱり、この人は天才だ」と改めて思った。1976年、高校3年の夏のことである。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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