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2012年6月14日 (木曜日)

このマイルスは単純に格好良い

アコースティック・マイルスのライブ盤はそれぞれ魅力的ではあるが、この時代の盤は特別です。

アルバム・タイトルは『Four & More』(写真左)。1964年2月12日のライブ録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)。60年代伝説のクインテットの一歩手前。まだ、テナーがウェイン・ショーターでは無い。ここでのテナーは、ジョージ・コールマン。

このライブ盤は、とにかく単純に「格好良い」。特に、マイルスが格好良い。このライブ盤でのマイルスのブロウは、今の耳で聴いても、独創的で個性的で唯一無二な魅力に溢れている。とにかく格好良い。 疾走感溢れ、覇気に満ちて、ポジティブな鋭気に満ちたマイルスのブロウ。

続いて、ピアノの若きハービー・ハンコックのピアノも素晴らしい。このハードで尖ったハードバップ&モードジャズの展開で、ハービーも、マイルスに習って、独創的で個性的で唯一無二な魅力を湛えたアコピのソロを繰り広げる。限りなくフリーに近づきながら、調性をしっかり保ち、エバンスタッチなシーツ・オブ・サウンドな、疾走感溢れる展開。あぁ、これも「格好良い」。

トニー・ウィリアムスのドラミングは先進的かつ独創的。シンバルワークだけで聴かせる超絶技巧なテクニック。マイルスを含めた、フロントを制御せんとする野心あるドラミング。しかし、マイルスに咎められて、しおらしくバッキングに徹するところなんぞ、このライブ盤でのトニーは「愛らしい」。

ベースのロン・カーターも、このライブ盤では素晴らしいアコベを聴かせてくれる。ピッチがバッチリ合って、高速エスパーなベースのフレージング。ウォーキング・ベースなんて言葉は当てはまらない。ランニング・ベースという言葉がピッタリなロンのベース。アコベでここまでやるか、と「感心することしきり」。

Fore_and_more

テナーのジョージ・コールマンは「健闘している」。1964年当時、テナーと言えば「コルトレーンとロリンズ」。コルトレーンとロリンズを別格として、当時のマイルス・クインテットの先進的なハードバップ&モードジャズに乗って、テナーを吹くことが出来るテナーマンはかなり限られていた。

このライブ盤でのコールマンは健闘している。手癖を含めてワンパターン的なアドリブ展開ではあるが、コルトレーンはフリーに走り、ロリンズは我が道を行くといった環境の中で、コールマンは、マイルス・クインテットの先進的なハードバップ&モードジャズの中で、持っている才能の限りを尽くして「健闘している」。

選曲もマイルスが映える「格好良い」曲ばかりがズラリと並ぶ。溜息が出るようなラインナップ。

1. So What
2. Walkin'
3. Joshua
4. Go-Go (Theme And Announcement)
5. Four
6. Seven Steps To Heaven
7. There Is No Greater Love
8. Go-Go (Theme And Announcement)

高速展開の「So What」と「Walkin'」そして「Joshua」が抜群に格好良い。曲の展開が実に魅力的な「Four」と「Seven Steps To Heaven」。唯一無二なマイルスしか解釈出来ない、大スタンダード曲の「There Is No Greater Love」。バンドのテーマ「Go-Go」もむっちゃ格好良い。

このライブ盤でのマイルスは、とにかく単純に「格好良い」。切れ味鋭く、分厚い展開のインプロビゼーションだけに、ジャズ者初心者の方には、ちょっと「ハード」な内容かもしれない。

でも、ジャズ者初心者の方は、このライブ盤にはチャレンジして欲しい。初めは「ハード」でしんどい内容かも知れない。でも、ジャズへの親しみ度合いが深まるにつれ、このライブ盤に馴染んでいく。そして、このライブ盤の魅力に取り憑かれるのだ。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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