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2012年6月18日 (月曜日)

日本男子の若きギタリスト登場

いや〜、凄いキャッチ・コピーである。ジャズの新人を売り出すキャッチ・コピーとしては「最大級」である。

疾走する20歳のジャズ。ジャズの明日を予言する鮮烈のギタリズム!!

その名は「井上銘(いのうえ めい)」。1991年5月14日生まれ。神奈川川崎市出身。今年でまだ弱冠21歳。2011年Berklee college of musicよりfull scholarship授業料全額免除を獲得する。2011年10月19日EMI Music Japanよりメジャー・デビュー。

2011年のJAZZ JAPAN AWARD ニュースター部門に選ばれた若き逸材である。といって、実際の彼の演奏を聴いてみないとなんとも言えない。レコード会社のキャッチ・コピーほど信じられないものはない(笑)。ジャズ雑誌の「AWARD」も右に同じ(笑)。

その井上銘のデビュー・アルバムが『ファースト・トレイン』(写真左)。やっと、彼のプレイとリーダー作を聴く機会に恵まれた。この10年位、日本のジャズ界においては、優れた女性演奏家はどんどん出てくるのだが、男性演奏家は全く鳴かず飛ばず。いったい、日本男子は何をやっているんや、と嘆きもした。そんなところにやっと、期待出来る男性ギタリストの登場である。

まず、収録された曲を並べてみると、これはなかなか期待できる新人であることが良く判る。凡百な新人は、レコード会社の言うなりに、有名なジャズ・スタンダード曲で固めたりするんだが、井上は違う。なかなか思い切った選曲をしている。 

括弧の中は、オリジナル曲を収録したミュージシャンの名前である。レッド・ツェッペリン、ジェフ・ペック、エリック・クラプトンと、1970年代ロックの三大ロック・ギタリストが演奏するオリジナル曲が並んでいる。これらの曲がジャズにアレンジ出来るのか・・・。

First_train

1 ファースト・トレイン
2 ホークス・アイズ
3 ガネーゼ
4 テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー (ハービー・ハンコック)
5 ヴィレッジ
6 リラクシン
7 ダーン・ザット・ドリーム (ジャズ・スタンダード)
8 カシミール (レッド・ツェッペリン)
9 ダイアモンド・ダスト (ジェフ・ベック)
10 ジ・アザー・サイド・オブ・ジ・アース
11 チェンジ・ザ・ワールド (エリック・クラプトン)

これが、なかなか秀逸なアレンジが施されていて、立派なジャズ演奏になっている。アレンジの能力の高さは、リーダー・ミュージシャンの能力の高さに正比例する。他の曲のアレンジも秀逸で、アレンジが優れている分、井上のギターのテクニックは映えに映える。

演奏のスタイルも、コンテンポラリー・ジャズ的な、現代的なジャズのスタイルあり、フュージョン・ジャズ的なスタイルあり、そして、そこはかとなく、純ジャズ的な取り回しや展開が織り交ぜられていて、なかなか現代的でモダンな演奏内容になっている。

聴き応え十分。若きギタリストでありながら、スムース・ジャズ、フュージョン・ジャズ一辺倒になっていないところが良い。なかなかに硬派で志の高い新人ギタリストの登場である。今後が十分に期待できる。

バックの演奏もリーダーに負けずに充実しており、リーダーの井上のギターと一体となった、コンテンポラリーで硬軟自在なバッキングは、もっと評価されても良い。聴けば、バックのミュージシャンも皆20歳代、全員が日本のミュージシャンであるとのこと。いや〜、なんだか嬉しいなあ。

十分に将来が期待できるギタリストである。ギターの音色は純ジャズな雰囲気の「正統派」。決して迎合せず、このままの感性で進んで欲しい。次の作品が実に楽しみである。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

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