最近のトラックバック

« 「これぞ新伝承派」と言えるプレイ | トップページ | フロイド『炎』の待望SACD化 »

2012年6月23日 (土曜日)

キースのオルガンを堪能する

子供の頃からオルガンの音が好きである。子供の頃からピアノを弾いていて、ピアノの音が一番好きだ。でも、オルガンの音も負けていない。子供の頃、教会で聴いたパイプ・オルガン、ハモンド・オルガンの音も大好きだ。

ハモンド・オルガンの響きは、僕にとっては「教会」の響き、「ゴスペル」の響きである。あのくぐもった和音が実に良い。ピアノはエッジの立ったシャープな音。ハモンドの音は、感情の塊の様な心を揺さぶる様な音。

ハモンド・オルガン。ジャズの世界では、その第一人者はジミー・スミス。ジミー・スミスこそが、オルガン・ジャズのイノベーターであり、最高の演奏家である。ジャズの世界で、オルガンで出すことの出来る音色、フレーズ、パターンのほぼ全てを、このジミー・スミスが表現し、確立した。

それでは、ロックにおける、ハモンド・オルガンの第一人者は誰か。これはもう、キース・エマーソンしかいない。キースのオルガンには、ロックの演奏の要件に沿った、先鋭的で攻撃的な音色、フレーズ、パターンが備わっている。決して、ファンキーにならない、乾いた8ビートに乗って、平易で判り易いインプロビゼーションを展開する。

そんなキース・エマーソンのハモンド・オルガンを心ゆくまで堪能できるライブ盤がThe Nice『(Live At the Fillmore East December 1969』(写真左)。CD2枚組の、当時のロックの殿堂「フィルモア・イースト」での優れたライブ盤である。

ちなみにパーソネルは、キース・エマーソン(Keith Emerson) - keyboard、リー・ジャクソン(Lee Jackson) - bass guitar/vocal、ブライアン・デヴィソン(Brian Davison) - drums、のトリオ編成。
 

The_nice_fillmore_east

 
最近発掘されたらしいライブ音源なので、音質や内容は大丈夫なのか、単なるブートの製品化では無いのか、とちょっと不安ではありましたが、思い切って入手して聴いてみたら、最近、良くありがちなブート音源の流用などではなく、きちんとしたライブ録音の音質、内容が維持されており、ホッと一息。

この時期のナイスは、キースのみがダントツに前面に出ており、エゴ丸出しの時期。ナイスのメンバーの他の二人は完全に役不足になっていた。いわばバンドとしては、既に解散直前状態になっていたと推察される。

というか、そんな状態は、このライブ盤を聴けば良く判る。キースのプレイばかりが前面に押し出されていて、他の2人は「えっ、いたの」という感じ。キースの先鋭的なオルガン演奏に比して、他の2人の演奏は「とほほ」なものに成り下がっている。

逆に、キースがエゴ丸出しでダントツ前面に押し出て、ハモンド・オルガンを弾き倒しているからこそ、このライブ盤CD2枚組を通して、キース・エマーソンのハモンド・オルガンを心ゆくまで堪能できるのだ。というか、ロックという音楽ジャンルにおいての、ハモンド・オルガンの音色、フレーズ、パターンのほぼ全てを体験し、堪能することが出来るのだ。

キース・エマーソンのハモンド・オルガンを体験し、理解する上では、このフィルモア・イーストのライブ盤のみで事足りるでしょう。いや〜長生きはしてみるものですね。こんなライブ盤が2010年になって発掘され、正式盤としてリリースされるとは思わなかった。

キースのハモンド・オルガンは、ファンキーさを省いて、ブルージーな音色を封印して、ロックの要件に応じた、先鋭的で攻撃的で荒々しく疾走感溢れる音色、フレーズ、パターンの全てを表現し、確立した。それが手に取るように判る、実に優れた内容のライブ盤です。プログレ者ベテランの方には一聴をお勧めしたいです。やはり、キースのキーボードの基本はハモンド・オルガンですね。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 「これぞ新伝承派」と言えるプレイ | トップページ | フロイド『炎』の待望SACD化 »

コメント

貴重な情報ありがとうございます。
ハモンドオルガンは現在日本の楽器メーカーが建里を買い製造しているようですが今更にトーンホイール方式ではありません。
それでも多列接点を復元して名器B-3に近づける努力が感じられます。
1955年頃B-3が出るまではジミースミスもレスリーを早回しにしてブロックコードでバーモントの月なんか弾いていたようです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/45802943

この記事へのトラックバック一覧です: キースのオルガンを堪能する:

« 「これぞ新伝承派」と言えるプレイ | トップページ | フロイド『炎』の待望SACD化 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ