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2012年5月16日 (水曜日)

ながら聴きに最適なモード・ジャズ

ジャズのアルバムの聴き方は色々ある。しっかりとスピーカーに向かって対峙するように、集中して聴くアルバムもあるし、なにかをしながらのバックで流す「ながら聴き」に最適なアルバムもある。

入手して10年以上になるが、何故かずっと「ながら聴き」をしているアルバムがある。Peter Erskine(ピーター・アースキン)の初リーダー作『Peter Erskine』(写真)。

1982年の録音。ちなみにパーソネルは、Ds.Perc.Key.Peter Erskine (ds), Don Alias/Eliane Elias (per), Eddie Gomez (b), Don Grolnick (key), Kenny Kirkland (p), Michael Brecker (ts), Bob Mintzer (ts,bcl), Randy Brecker (tp,flh), Mike Mainieri (vib)。

ピーター・アースキンは1954年生まれ。今年で58歳になる。Maybard Farguson OrchestraからWeather Reportで活躍したドラマー。特に、Weather Reportの黄金期、キーボードのジョー・ザビヌル、テナーのウェイン・ショーター、そして、伝説のエレベ奏者ジャコ・パストリアスから絶大なる信頼を得ていたドラマーである。

ストレート・アヘッドなジャズからフュージョンまで幅広くこなす、とても器用なドラマーではあるが、この初リーダー作で聴かれる様に、アースキンのドラミングの基本は純ジャズである。さりげなく、どちらかと言えば地味な傾向のドラミングであるが、これがなかなか隅に置けない。流麗な「ノリ」とでも形容したら良いだろうか。ポリリズミックで新しい響きの「ノリ」と「ビート」を聴かせてくれる。

このアースキンの初リーダー作は、1982年という純ジャズ復古の号令が高らかに鳴り響き始めた時代の録音で、演奏の形態は「モーダル・ジャズ」が基本で、アースキンの叩き出すリズム&ビートが、当時として新しい響きを宿したポリリズミックなもので、今の耳にも、決して古さを感じさせない、コンテンポラリーでモダンなジャズである。
 

Peter_erskine_album

 
パーソネルを見渡すと、フュージョン・ジャズが下降線になり、80年代の新たなジャズとして「純ジャズ復古」を推進する勢いの中で、その一翼を担っていたグループである「Steps」と「Jaco Pastoriusグループ」から、フュージョン時代の手練な担い手達がズラリと名を連ねている。そんな名手達がアースキンの下で、モーダルなジャズ、純ジャズを展開するのである。それはそれは分厚い内容である。

さすが、フュージョン時代の手練な名手達である。モーダルなジャズが、淀みなく、スムーズに流れるように演奏される。凄く簡単な風に、単純な風にさり気なく演奏されているが、どうして、なかなか難しいこと、複雑なことをやっている。しかし、演奏を通じて、そんなことを全く感じさせない、熟練したモーダルなジャズのオンパレード。 

この淀みなく、スムーズに流れるように演奏されるモーダルなジャズが、なにかをしながらのバックで流す「ながら聴き」に最適なのだ。本当に心地良く、内容の濃い、優れたモーダル・ジャズが淀みなく流れる。

「ながら」の手を止めて、演奏に集中すると、これがまたなかなかの内容なので、感心してしばらく聴き入り、再び「ながら」を始めても、決して、「ながら」の邪魔にならない。どころか、「ながら」の効率が上がる、不思議な効果を醸し出す。

決して難しいことはやっていないアルバムなので、ジャズ者初心者の方々にもチャレンジのし甲斐があるアルバムだと思います。ジャズ者中級者の方々は好みによってどうぞ。良いアルバムです。 

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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