P.F.Mと並ぶ「伊プログレの代表格」
イタリアは何故か、1970年代、プログレが盛ん。そんなプログレ・バンドの中で、P.F.Mと並ぶ代表格のひとつが、「Banco Del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)」。世界デビューの時、バンドの名前が長いので、短縮形の「Banco(バンコ)」になった。
1969年キーボードのノチェンツィ兄弟を中心に結成。 1972年アルバム・デビュー。ツイン・キーボードを中心とする迫力あるインストゥルメンタルとクラシックやオペラ、イタリアのカンツォーネ、フォークソングからの要素の取り組みが色濃いところが、Bancoの個性。オペラチックなカンツォーネをフィーチュアしたところも、これまた「個性」。
P.F.Mに続いてワールド・デビューを果たした、インターナショナルなイタリアン・ロックの代表格である。このBancoを手っ取り早く理解するには、1975年発表のマンティコアからのワールド・デビュー作『Banco』(写真左)を聴くのが一番。
変拍子を駆使したハイ・テンションな演奏な耳に残る。収録されたいずれの曲にも、クラシックやオペラ、イタリアのフォークソングからの要素の取り組みが色濃く、Bancoの個性が遺憾なく発揮されている。
P.F.Mに続き、マンティコア・レーベルから世界進出を狙った、歌詞が基本的に英語(実際は英語とイタリア語の両方を使い分けて歌われている)の変則ベスト盤で、新曲と過去の曲のリメイクからなっている。
Bancoの場合、イタリア語特有の歌詞の響きの癖の強さが個性と言えば個性。この変則ベスト盤での英語の歌詞の響きは、いい意味で聴きやすい響きになっていて、Banco本来の癖、個性が薄れていると言えば薄れている。
が、Bancoの持つ、プログレ演奏の個性については十分に感じる事ができるのだから、Banco入門盤としては、この変則ベスト盤は最適。歌詞が英語の方が、逆に、Bancoが初めての方には聴き易い。それでも、イタリアらしいオペラチックなカンツォーネをフィーチュアした音の響きは十分に個性的であり、かなり新鮮に響く。
しかし、Banco Del Mutuo Soccorsoを愛でるには、世界デビュー以前の、純正イタリア・プログレ時代のオリジナル・アルバムを聴く必要がある。この純正イタリア・プログレ時代のアルバムにこそ、真のBanco Del Mutuo Soccorsoの個性が光り輝いている。
それについては、近々に是非とも、このブログでご披露したいと思っている。
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