ピアノ・トリオの代表的名盤・27 『The Trio』
Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)の、有名なライブ音源に「The London House Sessions」というのがある。1961年夏、カナダの「The London House」というレストランでのライブ・セッションです。
この「The London House」というのは、米国はシカゴにあるクラブの名前。そんな「The London House」での、1961年夏のライブ・セッションを記録した「The London House Sessions」。この「The London House Sessions」から、4枚のライブ盤がリリースされている。
その4枚のライブ盤の中で、一番出来が良い、というか、一番内容が良い演奏を集めたライブ盤が『The Trio』(写真左)。このタイトルの『The Trio』が振るっている。邦題も振るっていて「オスカー・ピーターソン・トリオの真髄」。ピアノ・トリオ中のトリオ。そんなニュアンスがビンビンに伝わってくる。
このピアノ・トリオのパーソネルを改めてご紹介しておきたい。Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Ed Thigpen (ds)。ピーターソン率いる「黄金のトリオ」である。向かうところ敵無し、という感じの圧倒的迫力と圧倒的疾走感、圧倒的ドライブ感を持っての凄い内容のピアノ・トリオである。収録された曲は以下の通り。
1.I've Never Been In Love Before
2.In The Wee Small House Of The Morning
3.Chicago
4.The Night We Called It A Day
5.Sometime I'm Happy
6.Whisper Not
7.Billy Boy
軽快ハッピーな「Chicago」、ベニー・ゴルソンの名曲でムーディーな「Whisper Not」。軽快な「Billy Boy」。他の収録曲もピーターソン・トリオの素晴らしい演奏を様々な角度から捉えていて、聴きどころ満載である。
ベーシストのレイ・ブラウンの名人芸的なウォーキング・ベースも素晴らしく、エド・シグペンのドラミングも秀逸。特に、シグペンのドラミングの多彩な音色、リズム&ビートは特筆に値する。ピーターソンの天才的なピアノ・テクニックに応じたドラミングを供給したシグペン。大変だったろうなあ。
このライブ盤は、ジャズ者全ての人に聴いて貰いたい。このアルバムに、ジャズ・ピアノ・トリオの最高峰の姿の一つがある。ジャズ・ピアノ・トリオとはかくあるべし。そんな雰囲気がビンビンに伝わってくる、凄まじい内容のライブ盤である。
文章では正確なニュアンスが伝わらない。とにかく、このライブ盤は一度聴いて頂きたい。言葉で言い表すに適当な言葉が見当たらない位の、素晴らしい演奏の数々がぎっしりと詰まっている。全収録時間は約46分。1曲目の「I've never Been in Love Before」を聴き始めたら、それから目眩くジャズ・ピアノ・トリオの展開。あっと言う間の46分である。
これぞ「ピアノ・トリオ」。このピーターソンの『The Trio』を、この「ピアノ・トリオの代表的名盤」のシリーズに登場させていなかったことは、全く持って不徳の致すところ。謹んで、今回、「ピアノ・トリオの代表的名盤」のシリーズに満を持しての登場です。聴くべし。
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