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2012年4月20日 (金曜日)

コルトレーン「ラジオ番組の音源」

僕はこのライブ音源が意外とお気に入りである。コルトレーン黄金カルテットの絶頂期の作品 『至上の愛』の 吹き込みから数ヶ月後、1965年3月26日と5月7日に録音されたライブ音源である。

タイトルは『One Down, One Up: Live At The Half Note』(写真左)。「ハーフノート・カフェ」におけるライブ録音。Disc1が3月26日、Disc2が5月7日の録音。
 
マンハッタンのFMラジオ曲の番組「Portraits in Jazz」のエアチェックもの。ところどころ、ちょっとした難があるが、概ね良好な録音状態。

息子でテナー奏者のラヴィ・コルトレーンが「父親のあらゆる演奏の中で最高峰」と評したライブ音源である。確かに、Disc1の1曲目 「One Down, One Up」 は、「全コルトレーン記録の最高峰に位置する」と息子のラヴィ・コルトレーンの解説にある通り、素晴らしい演奏だ。

しかし、全体的には、なんとなく閉塞感がつきまとう。コルトレーンのブロウについて、これ以上の高みにいけない、というか、もうこれ以上の上昇は無い、というか、なんとなく、どうしようもない閉塞感漂う演奏になっている感じがする。特に、アブストラクトでフリーキーなコルトレーンのブロウには、限界点を迎えたような閉塞感が漂う。

しかし、この閉塞感はネガティブなものではない。このライブ音源での閉塞感は黄金のカルテットにとって、ポジティブな閉塞感である。限られた者だけが経験できる、才能の高みにのみ存在する「閉塞感」。このライブ音源には、コルトレーンの黄金のカルテットが到達した成熟しきった状態を聴くことが出来る。
 
One_down_one_up
  
コルトレーンのブロウは、袋小路に入った様な停滞感が漂うが、バックのリズム・セクションは違う。黄金のカルテットのリズム・セクションの部分、McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)のピアノ・トリオの部分のライブ演奏は、最高の極みに達している。

コルトレーン抜きのピアノ・トリオでの演奏が展開される部分のライブ・パフォーマンスは震えが来るほどに神々しい。コルトレーン抜きで、このマッコイ、ギャリソン、エルヴィンのピアノ・トリオのみで、完璧なコルトレーン・ジャズをパフォーマンスしている。マッコイ、ギャリソン、エルヴィンの最高レベルのパフォーマンスが、このライブ音源に記録されている。これはとにかく凄い。

FMラジオ番組の音源なので、Disc1、Disc2共、最後の曲はアナウンスがかぶさり、演奏と共にフェードアウトされる。これはちょっとなあ、とは思うが「時代の記録」と思えば仕方の無いこと。逆に、こういうライブ音源がオンエアされた1965年当時は、ジャズ・ファンにとって如何に幸せな時代だったのかが偲ばれる。凄いよな〜、こんな音源がオンエアされていたなんて・・・。

このライブ音源は、決して、ジャズ者初心者や一般のジャズ愛好家の方々にお勧めするものでは無いですね。しかし、コルトレーン者、つまり、コルトレーン・マニアには必須のライブ音源でしょう。1965年、「John Coltrane (ss, ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)」の黄金のカルテットの最後の輝きを捉えた、なかなか内容のあるライブ音源ではあります。

そして、コルトレーンは、次のステップとして、Pharoah Sanders (ts) の参加を要請する。そして、Rashied Ali (ds)など、それまでにない異質なメンバーを追加し、遂には、黄金のカルテットは解散する。

なぜ、コルトレーンは、Pharoah Sanders (ts) やRashied Ali (ds)の参加を要請したのか。それは、『Om』や『Meditations』以降のアルバムを聴けば理解出来る。しかし、コルトレーンは「そこ」に行かなければならなかったのだろうか。その必然性については、僕にとっては疑問である。

 
 

大震災から1年。決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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