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2012年4月22日 (日曜日)

追悼、リヴォン・ヘルム

リヴォン・ヘルムが亡くなった。ザ・バンドのドラマー&ボーカル担当。アメリカン・ルーツ・ロックの優れた古参であった。

1996年に喉頭癌と診断され、一時、歌うことは困難となったが、彼の声は奇跡的な回復を見せ、2007年にソロ・アルバム『Dirt Farmer』で復活、そして、なんとこの『Dirt Farmer』は、2008年の第50回グラミー賞に於いて、Best Traditional Folk Albumを受賞している。

その後、快進撃は続く。2年後の2010年には第52回グラミー賞に於いて、『Dirt Farmer』の続編とも言える『Electric Dirt』でBest Americana Albumを受賞した。喉頭癌を克服し、70歳を目前にしながらのこの活躍は、実に頼もしく感じたものだ。

なんせ、僕の大のお気に入りロック・バンドであるザ・バンドのドラマー&ボーカルである。彼の活躍に刺激されて、ちょくちょく、彼のソロ・アルバムを聴き返していた矢先の出来事であった。2012年4月19日、ニューヨークにあるメモリアル・スローン・ケタリング癌センターで逝去との報に接する。71歳没。落胆の極みである。

僕の世代は、ザ・バンドについては、ギリギリでリアルタイムでの体験であった。ザ・バンドがオリジナル・メンバーでの活動を停止したのが1976年。僕はザ・バンドと出会った年にザ・バンドは活動を停止したことになる。それはさておき、リヴォン・ヘルムは、その翌年、最初のソロ・アルバムをリリースしている。

リヴォン・ヘルム追悼として、今日は、この彼のファースト・ソロ・アルバムである『Levon Helm & the RCO All-Stars』(写真左)を流している。懐かしいアルバムである。僕はこのアルバムについては、リリースとほぼ同時に手に入れた。しかし、このアルバムの渋い内容に戸惑い、ちょっと落胆して、何度か聴いたが暫くお蔵入りになってしまった。

なんと「おこちゃま」なことであるか(笑)。当時、まだ高校時代から浪人時代。この渋さはちょっと僕には早かった(笑)。この渋さが癖になり始めたのが、40歳を過ぎてから。このアメリカン・ルーツ・ロックが湛える「ブルージーな渋さとラフなノリ」をしっかりと感じるには、どうも、ある程度の「年齢」が必要なようだ。

さて、この『Levon Helm & the RCO All-Stars』は、アメリカン・ルーツ・ロックの傑作である。今から振り返ると、メンバーの顔ぶれが凄い。当時の米国を代表するメンツが「キラ星」の如く並んでいる。

Levon_rco_allstars

MG'sのSteve Cropper、Donald Duck Dann、Booker T Jones、Doctor John、Paul Butterfield、Robbie Robertson、Garth Hudson等々。リヴォン・ヘルムと同じ、米国南部育ちの腕利きミュージシャン達を中心に起用されている。

しかも、この腕利きミュージシャン達が効果的に配置されていて、ホーンセクション+ダブルリードギター+ダブルキーボードの分厚いサウンドが、リヴォン・ヘルムの小気味よいドラミングに乗って、うねるようにアメリカン・ルーツ・ロックの音世界が広がっていく。これだけの腕利きミュージシャン達を集めて、これだけのリーダーシップを発揮するリヴォン・ヘルムは只者ではない。素晴らしいプロデュース力である。

当時流行った「レイド・バック」な雰囲気を色濃く漂わせて、このアルバムに収録された演奏のどれもが、アメリカン・ルーツ・ロックのお手本的な「ブルージーな渋さとラフなノリ」を湛えており、これがまあ、聴いていて心地良いこと、心地良いこと。アメリカン・ルーツ・ロック好きにはたまらない「レイド・バック」度である。

今の耳で聴いても、実に良いですね〜。今のアメリカン・ルーツ・ロックの優れたアルバムと比べても、決してひけを取らない、このアルバムは、かなり上位に君臨するレベルです。とにかく「渋い」。それでいて、決して緩まない。拡散すること無く、リヴォン・ヘルムのリーダーシップ溢れるドラミングがしっかりと統率し、しっかりとしたグループ・サウンズとして充実している。

ちなみに、RCOとはリヴォン・ヘルムが所有していた、ウッドストックのスタジオの名前。アルバム・ジャケットに描かれている家がRCOスタジオです。

きっと、あの世にも、このRCOが建っていて、リヴォン・ヘルムはこの世の時と同じように、歌い始めているのではないでしょうか。ザ・バンドの先に鬼籍に入ったメンバー、リチャード・マニュアルとリック・ダンゴとも再会しているんじゃないかなあ。

リヴォン・ヘルムが亡くなった。喉頭癌を克服して復活した時は嬉しかったなあ。もう再発はないのでは、と期待もした。しかし、残念な結果になってしまった。でも、リヴォン・ヘルムの残してくれたアメリカン・ルーツ・ロックの傑作の数々は、これからもいつでもどこでも、再生環境さえあれば聴くことができる。いつまでも悲しんでいても仕方が無い。

リヴォン・ヘルムのアメリカン・ルーツ・ロックの功績を称えつつ、愛でつつ、彼の冥福を祈りたい。

 
 

大震災から1年。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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