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2012年3月22日 (木曜日)

ヤヘルの静的でクールなオルガン

若い頃から、オルガン・ジャズが大好きである。オルガンの音は教会の音。幼稚園がミッション系だったこともあって、礼拝の時、讃美歌を歌うバックでファンキーに鳴るオルガン。遠いあの頃から、オルガンの音は大のお気に入り。

オルガン・ジャズと言えば、コテコテの「どファンキー」な音を思い起こします。基本的に、オルガン・ジャズは、コッテコテのファンクネスとソウルフルな風情が「売り」です。ジミー・スミス然り、ジミー・マグリフ然り、ジャック・マクダフ然り、ジョン・パットン然り。大多数のオルガン・ジャズはコッテコテの「どファンキー」です。

しかし、そのコッテコテの「どファンキー」とは対極の、静的でクールな、決して熱くならない、冷静で涼しげなオルガン・ジャズもあります。その代表格が Sam Yahel(サム・ヤヘル)。

サム・ヤヘルのオルガンの特徴はリズム。エクスプレッションペダルを激しく使った割にクールで静的なドライブ感が特徴のリズムが実にアーティスティック。

右手は趣味の良いタメを利かせていて洒脱。ファンキー色はほとんど皆無。静的ではあるが、底にほんのり「熱」を感じる、ブルージーでモダンなアドリブライン。サム・ヤヘルのオルガンの音は一度填まったら病みつきになる。

Sam_yahel_trio

そんなサム・ヤヘルのアルバムの中で、僕が愛して止まないアルバムの一枚が『Trio』(写真左)。1997年12月8日の録音。ちなみにパーソネルは、Sam Yahel(org), Peter Bernstein(g), Brian Blade(ds)。ブライアン・ブレイドのドラム参加が目を惹く。

冒頭の「Blues for Bulgaria」が、サム・ヤヘルのオルガンの個性を代表する。ファンキー色は殆ど感じない。静的な響きの中に、そこはかとなく漂うブルージーな感覚。このクールでブルージーな感覚が実に心地良い。

全編に渡って、サム・ヤヘルの静的でクールなオルガンにピッタリと寄り添うようなピーター・バーンスタインのギターが、これまた実に心地良い。サム・ヤヘルの静的でクールなオルガンの音をそのままギターに置き換えた様な響き。

そして、静的でクールなフロント楽器に、心地良い躍動感と緊張感を供給してくれるのが、ブライアン・ブレイドの、間を活かした、ポリリズミックなドラミング。切れ込むようなシンバルの響きが実にクール。

全編に渡って、ギター、ドラムスというシンプルなトリオ編成でありながら、音の厚みも十分、スイング感溢れる演奏と濃厚に漂うグルーブ感が堪らない。コッテコテの「どファンキー」とは対極の、静的でクールな、決して熱くならない、冷静で涼しげなオルガン・ジャズ。これもまた良し、である。

そして、「A Nightingale Sang In Berkeley Square」。僕はこの4曲目を限りなく愛してやまない。

 
 

大震災から1年。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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