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2012年3月17日 (土曜日)

ロッドの1970年代最後の一枚

1971年、自身3枚目のソロアルバム『Every Picture Tells A Story』で全英1位・全米1位となって以来、5枚連続、全米1位が取れないロッド・スチュワート。1977年、8枚目のソロアルバム『Foot Loose & Fancy Free』でも、全英3位・全米2位で、どうしても全米1位が取れない。

逆に、ロッド・スチュワートを中心としたグループの音はどんどん成熟していった。8作目の『Foot Loose & Fancy Free』の時点で、ロッド・スチュワートのグループは、ほぼ成熟の極みに達していた。確かに、この『Foot Loose & Fancy Free』を聴くと、もうやることがない位、多種多様なアプローチで、ロッドお得意のR&B、R&Rをやりまくり。

次作は、ほとんど惰性で取り組んだアルバムではないのだろうか。その次作とは、ロッド自身通算9枚目のソロアルバム『Blondes Have More Fun』(写真)。1978年のリリースである。当時の邦題は『スーパースターはブロンドがお好き』。恐らく、ジャケット写真を見たそのままの印象を邦題にしたのだろう。この邦題からして安易なアプローチで、このアルバムは売れないのでは・・・、と思ったんだが・・・。

なんと、このアルバムが、自身3枚目のソロアルバム『Every Picture Tells A Story』以来の全英1位・全米1位を達成してしまったのだから、米国のロックの世界、米国のポップスの世界は良く判らない(笑)。

1978年と言えば、メリハリ付け過ぎ気味のディスコ・ミュージックとソフト&メロウなAORミュージック全盛時代。かたや、英国ではパンクの嵐が吹き荒れ、1970年代ロックの代表的バンド、ミュージシャンはどんどん陶太されていった時代。そんな不透明な時代に、60年代後半から活躍してきた英国出身のボーカリスト、ロッド・スチュワートが全米1位を極めるのだから判らない。

Blondes_have_more_fun

確かに、冒頭1曲目の「Da Ya Think I'm Sexy?(邦題・アイム・セクシー)」は、当時のトレンドだったディスコ・サウンドにピッタリとはまり、日本でもディスコで街で店で、流れに流れていた曲である。当然、この「Da Ya Think I'm Sexy?」が米国でも受けに受けた。受けに受けて全米4週連続1位に輝く。恐らくは、この大ヒット曲が牽引してのアルバムのセールスであることは間違い無い。

アルバムの収録曲に耳を向けてみても、冒頭の「Da Ya Think I'm Sexy?」以外は、ディスコ・サウンドを踏襲している曲は無く、他の曲は、今までの路線通り、ロッドお得意のR&B、R&Rをやりまくり(笑)。2〜3曲、雰囲気の変わった、レゲエ調やニューウェーブ調の曲があるが、基本的にはいずれもロックンロール基調の曲ばかりである。

R&B、R&Rはロッドのお得意。当然、このアルバムでも、ロッドのボーカルは絶好調である。バックのバンドも音的に成熟の極みで、前作からの傾向であるが、最早やることが無いくらいの成熟度、完成度である。聴いていて「手慣れた」感がそこかしこに漂い、演奏的にも「化学反応」が起こる兆しは全くもって見えない位の「手慣れた」感である。

このアルバムについては、この「手慣れた」感が曲者で、冒頭の「Da Ya Think I'm Sexy?」以外、他の曲について、インパクトに若干欠ける。聴き終えた後、印象に残るという感じが希薄。ロッドのボーカルが絶好調なだけに惜しい内容のアルバムである。

余談になるが、本アルバムの無責任な(と僕は思っている)邦題である『スーパースターはブロンドがお好き』によって、このアルバム以降、日本において「ロッドは金髪好きのロック野郎」というイメージが定着してしまった。ロッドに対して失礼な仕業であったと思う。そんな、なんだか後味の悪いアルバムだった印象が想い出として残っている。  

 
 

大震災から1年。決して忘れない。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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