チューリップ初のライブ盤である
実は、僕が初めて自腹を切って買ったチューリップのアルバムは『Live!! Act Tulip』(写真左)。購入した時期はハッキリと覚えている。1974年9月。高校1年生の秋の始めの季節である。
このライブ盤は、73年9月23日、渋谷公会堂で行われた初の単独ライブ、渋谷公会堂の動員記録を更新した熱狂のライブを収録したものである。シングル「心の旅」がオリコンシングルチャートで1位を獲得したのが1973年9月10日。オリジナル発売日は1973年12月1日、チューリップの最初の絶頂期での発売である。
いやはや、このライブ盤、これほど、客の歓声、叫び声が調整されていないライブ盤も珍しい(笑)。当時の熱狂感そのままに、女性ファンの黄色い声など、普通にステレオで音量を上げて聴いていると、気恥ずかしくなる。購入当時、僕はまだ高校1年生。そりゃあまあ、恥ずかしかったですね〜(笑)。最後の最後にファンの「もう死にそう・・」という声が入っていて、この部分には、あまりのリアリティに背筋がゾクッとしたものです。
収録された曲は全12曲。興味深いのは、当時のライブって、自分達の持ち歌に加えて、当時、流行っていた楽曲のカバーなんかを織り交ぜているんですよね。このライブ盤でも、ビートルズの「イエスタデイ」、サイモン&ガーファンクルの「4月になれば彼女は」が入っています。当時、オリジナルが最優先だった僕は、このカバーの存在が、どうしても好きになれなかった(笑)。
さて、このライブ盤に収録された全12曲は以下の通り。前述のカバーの2曲と、1973年10月5日に「心の旅」の次のシングルとしてリリースされた「夏色のおもいで」(写真右)が目を惹く。ちなみに「夏色のおもいで」松本隆の作詞家デビュー曲。また、チューリップの楽曲の中でメンバー以外が作詞した唯一の曲でもある。
1. 夢中さ君に
2. 新しい地球を作れ
3. 早くおいで
4. 道化者
5. 二人で山へ行こう
6. 僕のお嫁さん
7. 心の旅
8. 思えば遠くへ来たものだ
9. イエスタデイ
10. 4月になれば彼女は
11. 夏色のおもいで
12. メドレー:夢中さ君に~魔法の黄色い靴~道化者~心の旅
オリジナル・アルバムよりピックアップされた楽曲は、どれも、オリジナルよりアップテンポだったり、力強かったりで、当時のチューリップは、ライブにおいても既に相当の実力を持っていた、ということが窺い知れる。今でも、オリジナル曲の演奏については、結構、気に入っている。死ぬまでに一度、自らの手でカバーしたいなあ、とぼんやり思っている(笑)。
しかし、このライブ盤の客の歓声、特に女性ファンの黄色い声については「閉口」するなあ(笑)。当時のチューリップは、完全にアイドル・グループ扱いされていますよね〜。しかし、この後、チューリップは自らの手で、このアイドル・グループ路線から訣別し、硬派なフォーク・ロック・バンドとして、独自の個性的な道を歩んでいくことになるのですが、その話はまた後ほど・・・。
ということで、このライブ盤はチューリップ・マニア向け。逆に、チューリップ・マニアであれば、このアルバムは、突っ込みどころ満載だし、感心するところも多々あるし、意外に楽しめます。
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