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2012年2月 7日 (火曜日)

ビートルズのジャズ・カバー盤

昨日は、1970年代の伝説のロックグループ、Led Zeppelinの楽曲のジャズ・カバーについて語った。さすがに、Led Zeppelinの楽曲は個性が強く、なかなかジャズには展開しにくい「難物」だった。

それでは、ジャズで良くカバーされ、概ね良好にアレンジされるロックの楽曲は何か。それは、やはり「Beatles(ビートルズ)」の楽曲だろう。ビートルズがデビューして世界を席巻して以来、ジャズではビートルズの楽曲をことある毎にカバーしてきた。

今日は、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターである僕がお勧めする、ビートルズの楽曲のジャズ・カバー盤をご紹介したい。ざっと、ビートルズのジャズ・カバーとしてお気に入り盤が10枚くらいある中から、Central Park Kids『Play The Beatles』(写真左)を選んだ。1994年9月の録音。

いやあ、楽しいアルバムだ。アクセントとして、なかなか趣味の良いストリングスのアレンジに乗って、ジャズ・オーケストラ風の分厚い演奏がビートルズ・ナンバーを奏でていく。この演奏を担う「Central Park Kids(セントラル・パーク・キッズ)」とは、ニューヨーク・ジャズ界のスタジオ・ミュージシャン出身のベテランが、一時的に集まってできた、テンポラリ・グループである。

メンバーを見渡してみると、「マンハッタン・ジャズ・クインテット」に所属する、George Young (ts)や、Lew Soloff (tp)、David Matthews (p・写真右) の顔が見えるし(David Matthews はアレンジも担当している)、亡きギル・エバンスが率いていた「マンデイ・ナイト・オーケストラ」のChuris Hunter (as) もメンバーに名を連ねている。この素晴らしいメンバーで、ビートルズの曲をジャズにアレンジし、演奏するのだから、悪かろうはずがない。

演奏される曲は7曲。1曲目の「I Feel Fine」。パンチの効いたストリングスに導かれ、原曲を活かした、イカしたジャズが疾走する。これはいける。ストリングスのアレンジがなかなか良い。この「I Feel Fine」は、ジャズの「オフ・ビート」に良く乗る。選曲の勝利だろう。
 

Play_the_beatles

2曲目は「A Day In The Life」。ジャズギターのウエス・モンゴメリーのカバー演奏で有名な曲。さすがに、ウエスのカバー演奏には叶わないが、軽やかで乗り易い、楽しい演奏となっている。しかし、ちょっとアレンジしきれずに、手をこまねいている感じが無いでは無い。この曲のジャズ・アレンジは、ウエスの決定版があるだけに難しい。

3曲目は「MichelleI」。これはよくジャズで取り上げられるビートルズ曲ではあるが、あまり名演は無い。原曲のバラードが少々甘すぎるのと、そもそも、このビートルズの「MichelleI」のオリジナル演奏自体が、アレンジを含めて、相当の完成度であることが原因だろう。このアルバムでは、この原曲の甘さを押さえることで、なんとか、まずまずのカバー演奏になった。

4曲目は「Hello Goodbye」、5曲目は「A Hard Days Night」だ。この2曲ついては、へえーっ、この曲もジャズになるんだ、というのが正直な感想。マシューズのアレンジの勝利。特に、5曲目の「A Hard Days Night」は良いアレンジ、良い演奏。しっかりとジャズになっていて良い出来だ。意外と言えば意外だよな、「A Hard Days Night」がジャズ・カバーに耐えるとはなあ。

6曲目は、ジャズ・ミュージシャン御用達の「Norwegian Wood(ノルウェーの森)」。これは幾多のジャズメンがカバーしている。コード進行が面白く、このコード進行を借りてのインプロビゼーションは、なかなか聴き応えがある。が、この曲の持つメロディー自体は、これはこれで完成していてさわりようがない。アレンジのふるいどころが少ない曲という印象が強い。

そして、7曲目「The Fool On The Hill」でしめくくられる。この「The Fool On The Hill」のカバー演奏は「目から鱗」である。この「The Fool On The Hill」のジャズ・カバーのアレンジこそが、今回のDavid Matthewsのアレンジの極みではないか。「The Fool On The Hill」の持つ旋律をジャジーな4ビートに載せ替えて、そのユニークなコード進行の上に、フロント楽器のアドリブが繰り広げられる。良い感じだ。

このどの曲もよくアレンジされており、ソロパートもリリカル。たまには、耳慣れた曲で、こんな楽しいジャズがあってもいいではないか。リラックスして、楽しんで聴けるアルバムである。

 
 

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Fight_3

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