ジャズ・ロックなクルセイダーズ
The Crusaders(クルセイダーズ)は、今でも僕の大のお気に入りである。当初は、ジャズ・クルセイダーズと名乗り、1961年に『フリーダム・サウンド』でデビュー。以来、バンド名やメンバーを変えつつ、40年以上継続する、今や老舗のフュージョン・バンドである。
そんなクルセイダーズが、1974年にリリースしたライブ盤がある。The Crusaders Live at The Roxy、タイトルは『Scratch』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Wayne Henderson (tb), Wilton Felder (ts), Joe Sample (key), Stix Hooper (ds), Larry Carlton (g), Max Bennett (b)。蒼々たるメンバーである。
1974年と言えば、クロスオーバー・ジャズ全盛時代。ファンク色の強いバンドやジャズメンは、時代のトレンドとして、洗練された「ジャズ・ロック」を追求することが多い。
ここでのクルセイダーズもその例に漏れず、洗練された「ジャズ・ロック」を追求する。冒頭のタイトル曲「Scratch」から、スティックス・フーパーのファンクネス溢れるドラムが「ジャズ・ロック」的リズムを供給する。心地良いファンクネス。純ジャズとは明らかに異なる、ロック的なリズム&ビート。思わず身体が揺れる。
そして、このアルバムのハイライトが2曲目の「Eleanor Rigby」。ビートルズの名曲だが、1974年のその時点で、ビートルズのカバーっていかがなものか、と思うが、このカバー演奏のインプロビゼーションの展開を聴くと、この「Eleanor Rigby」は、単なる素材にしか過ぎないのが判る。
インプロビゼーション部の展開を聴いていると、別に主題が「Eleanor Rigby」で無くても全く問題無い。「Eleanor Rigby」は、ジャズ・ロックな展開の「単なる切っ掛け」。
しかし、この「Eleanor Rigby」のインプロビゼーション部の展開は凄い。ウィルトン、ウェイン、ジョーの順番でソロを取っていくが、これがまあ「凄い」。バッキングのラリカルとベネットもファンキーで格好良い。特に、ウェインのトロンボーンが限りなくファンキーで良い。
3曲目の「Hard Times」は、クロスオーバー・ジャズの次のトレンド、フュージョン・ジャズの兆しを感じる演奏。ソフト&メロウな雰囲気を醸し出しながら、洗練されたファンクネスを創出していく。雰囲気のあるソフト&メロウな演奏。ジョー・サンプルのフェンダーローズが良い雰囲気だ。続く「So Far Away」、ラストの「Way Back Home」も、どちらかと言えば、ソフト&メロウなファンク・フュージョン的な演奏。
このライブ盤、前半は、収録された1974年のトレンドである洗練されたジャズ・ロックを追求し、後半は、これからのトレンドであるソフト&メロウなファンク・フュージョンを追求する。ここに、時代のトレンドを追求しつつ、次の時代のトレンドも見据える、常に進歩し前進する、ポジティブなクルセイダーズが、ここに記録されている。
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