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2012年1月25日 (水曜日)

MJQの演奏は決まって「典雅」

「典雅」という言葉がある。辞書を紐解くと「正しく整っていて上品なさま」とある。僕は、この「典雅」という言葉を聞くと、決まって、Modern Jazz Quartet(モダン・ジャズ・カルテット、略してMJQ)を思い出す。

MJQの演奏は決まって「典雅」。対位法を用いた、ハイテクニックなグループサウンズ。しかし、単に上品なだけであれば、単なる「クラシックかぶれのスノッブ達」なのだが、これが違う。

典雅な演奏の底に、しっかりとファンキーな芳しい香りとジャジーな雰囲気が横たわっている。それをMJQの演奏の全てに、そこはかとなく感じるので、MJQは絶対に「ジャズ」だし、ど真ん中、メインストリームなジャズとして、僕は長年愛でているのだ。

宮廷音楽の様に典雅な演奏を、ハイテクニックなグループサウンズとシンプルで音数を選んだクールなアレンジメントで、どこまで、冷静に抑制を効かせたジャズが演奏出来るのか。アーティスティックなジャズの追求。しかし、その底に、しっかりとファンキーな芳しい香りとジャジーな雰囲気が見え隠れする。

そんなMJQの個性が満載なアルバムが1956年にリリースされた『Fontessa』(写真左)。1956年1月と2月の2階に分けた録音。Prestigeレーベルを離れ、Atlanticレーベルでのファースト・アルバム。
 
Mjq_fontessa
 
MJQのパーソネルを改めてここに記しておく。John Lewis (p), Milt Jackson (vib), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。黄金の4人。

冒頭の「Versailles」から、典雅さが全開。4人4様にハイテクニックを駆使して、クールに冷静に、それでいてしっかりとしたスピード感も維持しつつ、抑制されたモダン・ジャズを聴かせる。躍動感を感じる。演奏の底によこたわるファンキーな香り。ルイスのピアノとミルトのヴァイブが尖っている。

続く「Angel Eyes」そして「Fontessa」は、静謐でクールなピアノとヴァイヴのハーモニーが美しい。抑制と静謐の極み。どっぷりとブルージーで乾いたジャジーさが「コク」を生み出している。ルイスのピアノとミルトのヴァイブが目立つ目立つ。

4曲目の「Over The Rainbow」と6曲目の「Willow Weep For Me」はキャッチャーなテーマを持ったジャズ・スタンダード。こういうベッタベタなスタンダードを演奏させると、MJQは実に見事にアレンジメントしつつ、抑制されたファンクネスを振りまきながら、抑制された躍動感のある、楽しげな演奏を繰り広げてくれるのだ。

知性溢れる典雅なジャズ、アーティスティックなジャズを体感出来る良いアルバムです。ファンクネス全開、熱気溢れるジャズばかりがジャズじゃない。MJQを聴くと、ジャズって奥が深いな〜って改めて思います。

 
 

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