最近のトラックバック

« 「赤ペト」の想い出 | トップページ | パット&メイズの決定的名演 »

2012年1月11日 (水曜日)

弾きまくる「泣きのギター」

あの伝説のフュージョン・バンド「Stuff」が好きなフュージョン者の方であれば、この辺の「Stuff」のメンバーのソロアルバムに触手を伸ばしていた筈である。いや、手を伸ばしていなければ、「Stuff」マニアでは無い(笑)。

泣きのギター「エリック・ゲイル(Eric Gale)」。この人のギターは、ファンキーでメロウ、ブルージーで「むせび泣く」ように音が伸びる「泣きのギター」が個性。エリック・ゲイルのソロアルバムは、この「泣きのギター」と「ポップなソフト&メロウなフュージョン・ジャズ」の両方が楽しめる。

1976年の作品『Ginseng Woman』(写真)。エリック・ゲイルのセカンド・アルバムになる(ファースト・アルバムは『Forecast』: 2010年7月11日のブログ参照・左をクリック)。CTI時代から頻繁にエリック・ゲイルを起用してきたBob James(ボブ・ジェームス)がプロデュース・編曲・キーボード担当と八面六臂のバックアップ。

やけど、これはあかんやろう(笑)。冒頭の「Ginseng Woman」の前奏のアレンジから、ボブ・ジェームス編曲が「もろ判り」の、思いっきり「ボブ・ジェームズ節」が炸裂した、どう聴いても「ボブ・ジェームスがリーダー」の演奏(笑)。当のゲイルも、ボブ・ジェームスのリーダー作で客演した時の同じ雰囲気で「泣きのギター」を紡ぎ上げている(笑)。

ブラスやストリングスの音の重ね方、ボブ・ジェームスの手癖のように良く出てくる「お決まりのフレーズ」、伴奏の入り方、入れ方、どれをとっても、どれを聴いても、どこから聴いても「ボブ・ジェームス」である。ちょっと、この『Ginseng Woman』は、ボブ・ジェームスの色が出過ぎていると言えば、出過ぎている。

確かに、この『Ginseng Woman』というアルバム、ボブ・ジェームスの音が色濃く反映されていて、エリック・ゲイルのみならず、ボブ・ジェームスのファンの方々にもお勧めな内容なんですね、これが(笑)。でも、2曲目以降、確かに、ボブ・ジェームスの色は相変わらず濃いですが、エリック・ゲイルの「泣きのギター」も存分に楽しめる演奏がズラリと並んでいます。ご安心を(笑)。 
 
Ginseng_woman
 
2曲目の「Red Ground」なんぞは、実に良い雰囲気。明るい爽快感溢れる海を連想させる、ゆったりとしたカリビアンな演奏は、実に良い。リラックス感満載のトロピカル・ミュージックとでも表現したら良いでしょうか。この曲でも、ボブ・ジェームスのアレンジが光ります。

3曲目の「Sara Smile」は、ホール&オーツの名曲のカバー。そこはかとなく、レゲエ感覚のリズムを巧く取り入れたこの演奏もなかなかの好演。女性コーラスの入り方も、なかなか「アーバン」かつ、ブルージーな雰囲気で、ゲイルの「泣きのギター」が映える。このトラックは、ボブ・ジェームス臭さも希薄で、ゲイル色満開と言ったところか。

4曲目の「De Rabbit」以降、5曲目「She Is My Lady」、ラストの6曲目「East End, West End」まで、エリック・ゲイルが弾きまくる。「泣きのギター」満載のトラックが3曲連続、エリック・ゲイルの「泣きのギター」が心ゆくまで堪能できる。

それもそのはず、Steve Gadd(ds)〜Richard Tee(key)をフィーチャーしており、これってもう「Stuff」です。その「Stuff」の演奏に、独特のリズム&ビートと派手なブラスの効いた、ボブ・ジェームスのアレンジを組み合わせた、これはもう「無敵」の演奏です(笑)。

特に、5曲目のバラード「She Is My Lady」は絶品。リチャード・ティー独特の個性的なストロークの効いたアコピのバッキング。これって、「Stuff」のバラード・ナンバーのアプローチを想起させますね。そして、官能的で素晴らしいソロを聴かせているHank Crawfordの「泣きのアルト」が実に良い。ゲイルの「泣きのギター」と相まって、「泣きの相乗効果」抜群のジャジーなバラードです。

ボブ・ジェームス色が強かったり、ゲイルが所属していた伝説のフュージョン・バンド「Stuff」の色が強かったり、ゲイルのソロアルバムとしての、ゲイルならではの音作りを感じることは出来ませんが、ゲイルの好きなアレンジやリズム・セクションに乗って、弾きまくる「泣きのギター」は結構圧巻で、結構聴き物です。フュージョン・ジャズの佳作として、気軽に楽しめる一枚です。
 
 
 

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3

がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。

« 「赤ペト」の想い出 | トップページ | パット&メイズの決定的名演 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/43708352

この記事へのトラックバック一覧です: 弾きまくる「泣きのギター」:

« 「赤ペト」の想い出 | トップページ | パット&メイズの決定的名演 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ