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2012年1月16日 (月曜日)

こんなアルバムあったんや・6

約2ヶ月ぶりになるが、「こんなアルバムあったんや」シリーズの第6話である。

クラシックや1970年代のロックからジャズに入ると、ジャズならではの独特な習わしや特徴があって、戸惑うことが多々ある。

まず、ロックの様に、固定したメンバーでグループを組んで活動することが、ジャズでは少ないこと。アルバムを作成する毎に、メンバーを募ってセッションを組むこと。同じミュージシャンのリーダー作に、同じタイトルのアルバムが複数存在すること。ジャズは同じ曲を他のミュージシャンそれぞれが演奏しても良いこと。などなど、ジャズならではの習わしや特徴があって、ジャズを聴き始めた頃、この習わしや特徴に思いっきり戸惑うのだ。

今回のアルバムは、このジャズならではの独特な習わしや特徴の内の、「同じミュージシャンのリーダー作に、同じタイトルのアルバムが複数存在すること」にあたる。Art Blakey & The Jazz Messengersの『Night in Tunisia』。有名なBlueNote盤では無く、Bluebird盤である(写真)。

遠く昔々、30年以上前、ジャズ者初心者の頃のことである。ジャズ入門本を貪るように読み、少ない購入資金を元手に、月に3〜4枚はアルバムは購入していた。当時のジャズ入門本は、アルバム・ジャケットの写真が少ない。タイトルだけが文章に混じって並んでいる。アート・ブレイキーはジャズ・ドラマーの雄であることを知り、ブレイキーのアルバムが欲しいと思った。

代表作のひとつの『Night in Tunisia』があった。『Night in Tunisia』の後に「(BN)」とあったが、当時はまだジャズ者初心者、なんのこっちゃら、さっぱり判らんかった。なんとなくエキゾチックな雰囲気漂うタイトル『Night in Tunisia』、邦題「チュニジアの夜」。僕は、アート・ブレイキーの「チュニジアの夜」を購入することに決めた。

レコード屋に行って、アート・ブレイキーの棚に手をかけて、LPを一枚一枚、見て確認していく。あったあった、「チュニジアの夜」である。アート・ブレイキーがリーダーの「チュニジアの夜」。ジャケットはちょっと幼稚っぽいんだが、これはこれで味があると思い込んだ(僕が手に入れたものは「写真右」のデザインのもの。Bluebird盤にも最低2種類のジャケット・デザインがある)。

Art_tunisia_bluebird

この『Night in Tunisia』のBluebird盤、1957年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Hardman (tp) Jackie McLean (as) Johnny Griffin (ts) Sam Dockery (p) Spanky DeBrest (b) Art Blakey (ds)。フロントの3管はバリバリの名うてのメンバー。打って変わって、バックのリズム・セクション、ドラムのブレイキーは別格として、ベースとピアノはほぼ無名。

聴いて見て、ちょっと感動した。アルバムに収録された演奏全てが、完璧にハードバップしているのだ。フロントの管のユニゾン&ハーモニー、リズム・セクションが叩き出すリズム&ビート、どれもが完璧にハードバップしている。ちょっと緩くてラフなところがあるが、締めるところはきちっと締める、絵に描いた様なハードバップがぎっしりと詰まっている。

そして、主役のアート・ブレイキーのドラミングが良い。きっちりとタイトに締まってチューニングされたドラムの弾けるような音が気持ち良い。そして、ブレイキーの十八番の「ナイアガラ・ロール」やお得意の手癖である「カカカカカ」がしっかり聴ける。とにかく、アルバム全編に渡って、ブレイキーが心地良く叩きまくっている。

いや〜、良いアルバムやな〜、ジャズ入門本の紹介文は嘘つかへんな〜、なんて感じ入って、夜な夜な聴いて悦に入っていた。で、それから、数ヶ月後。ジャズ喫茶でだったか、ジャズ雑誌のアート・ブレイキーのディスコグラフィーを読む機会があった。
 
そして、『Night in Tunisia』というタイトルのアルバムは2枚存在することが判った。え〜、同じミュージシャンのリーダー作に、同じタイトルのアルバムが複数存在するんか〜。そう、僕はその事実をその時初めて理解した。

なんとジャズ入門本に載っていたアート・ブレイキーの『Night in Tunisia』は、BlueNote盤だったのだ。え〜っ、じゃあ、この『Night in Tunisia』はなんなんだ〜、と思った。ディスコグラフィーを見ると、Bluebird盤とある。え〜っ、こんなアルバムあったんや〜、と思わず、その場で叫んだ(笑)。 

でも、良かった。Bluebird盤もなかなかの内容で、なかなか聴き応えのある、ハードバップの優秀盤。しかし、「同じミュージシャンのリーダー作に、同じタイトルのアルバムが複数存在する」とは、なんとまあ紛らわしいことであろう。まあ、ほとんどがリリースされたレーベルは異なるんで、まだ「良し」とするか。まあ、ジャズの世界では良くある話なんで・・・(笑)。

 
 

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