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2011年12月26日 (月曜日)

続・際物風のコルトレーン盤

12月23日のブログ(左をクリック)で、John Coltraneの『Impressions』をご紹介した。タイトルからはライブ録音の音源が含まれているなんてことは全く感じないが、アルバムに収録された全5曲中、2曲がライブ音源、残りがスタジオ録音。実に中途半端な、ちょっと「パチモン」の香りがする名盤、ちょっと際物風のコルトレーン盤である。

コルトレーン盤には、もう一枚、ライブ音源とスタジオ音源がチャンポンになった、ちょっと「パチモン」の香りがする名盤、ちょっと際物風のコルトレーン盤がある。そのタイトルは『Live at Birdland』(写真左)。この盤は、タイトルからして、バッチリとライブ盤と判るんだが、中身を聴くと、ライブ音源とスタジオ音源が混在しているのが判る。なんでこんな構成にしたのかなあ。

しかしながら、『Impressions』のライブ演奏部分は、僕にとってはイマイチなんだが、この『Live at Birdland』でのライブ演奏部分は素晴らしい。というか「凄い」。コルトレーンの黄金のカルテットの、最高のライブ演奏のサンプルがこの盤に詰まっている。

ちょっと話を整理してみよう。この『Live at Birdland』のトラックリストは以下の通り。最近のリイシューのCDでは、6曲目に「Vilia」という楽曲が追加されたりしているが、話がややこしくなるので、ここはLP時代のトラックリストを基本に話を進める。

1. Afro-Blue
2. I Want To Talk About You
3. The Promise
4. Alabama
5. Your Lady
 
1〜3曲目が、1963年10月8日、バードランドでのライブ録音。4〜5曲目が、1963年11月18日、ヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音。
 
Jc_live_birdland
 
ちなみにパーソネルは「黄金のカルテット」と呼ばれる4人。John Coltrane (ts,ss), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds), McCoy Tyner (p)。この日のバードランドのライブ音源はまだ何曲があるらしい。よって、なんでこんなライブ音源とスタジオ録音を混在させたかが良く判らん。

でも、まず、このライブ音源の3曲が凄い。コルトレーンは迷い無く、淀みないソロを繰り広げ、そのイマジネーションは「唯一無二」の一言。凄い個性の塊のコルトレーンガここにいる。そして、エルヴィンのドラミングが凄い。疾風怒濤のドラミング。腕が4本あるかの様な、凄まじいポリリズム。そして、鋼の様にソリッドで粘りのあるベース音を響かせるギャリソン。ガーンゴーンと疾風怒濤の演奏にアクセントをつけ、音の彩りを添えるマッコイのピアノ。

ライブ音源3曲ともに甲乙付け難いほど素晴らしい出来。ソプラノ・サックスのアドリブ展開は、コルトレーンの目眩くイマジネーションを音に昇華させた様な、飛翔感抜群の音の煌めき。「I Want To Talk About You」での、テナーの高音部を使った超絶技巧なテクニック溢れるソロ。そう、この「I Want To Talk About You」の出来が素晴らしいのだ。僕のイチ押し。

4曲目「Alabama」、5曲目「Your Lady」のスタジオ録音もライブ音源と比べて見劣りするものでは無い。ライブ音源から続けて聴いていると、このスタジオ録音部分もライブ音源と間違えてしまいそうなほど、ライブ音源と比べて、甲乙付け難い内容となっている。ここでも、コルレーンは言うに及ばず、エルヴィンのドラミングが凄い。ギャリソンのベースがブンブン唸る。マッコイのピアノがガーンゴーン響き渡る。

『Live at Birdland』とは看板に偽りあり。アルバムに収録された全5曲中、3曲がライブ音源、残りがスタジオ録音。これまた、実に中途半端な、ちょっと「パチモン」の香りがする名盤、ちょっと際物風のコルトレーン盤である。しかし、これがまさに、コルトレーン・ジャズの完成期のライブ+スタジオ録音アルバムなんだから面白い。

 
 

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