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2011年12月20日 (火曜日)

ジャケ買いの逆を行くジャロ名盤

ジャズ・ロック(略して「ジャロ」)は裾野が広い。時代を遡ってみても、1960年代前半のファンキー・ジャズから派生し、1970年代半ばまで、フュージョン・ジャズが一般的になるまでの12〜3年間と長きに渡っている。

しかも、ジャズ・ロックは米国ばかりでは無く、英国や独など、欧州ジャズの盛んな国、そして、プログレッシブ・ロックの盛んな国で広く展開された。所謂、ジャズとロックの融合。8ビートを採用したジャズとして、ファンクなリズム&ビートとグルービーなインプロビゼーションが特徴。

そんなジャズ・ロックを極めていこうと、ディープな盤へ突き進む。今日は、Mike Longo『900 Shares of the Blues』(写真左)。1974年のリリース。ちなみにパーソネルは、Joe Farrell(ts,ss,fl), Ron Carter(b), Randy Brecker(tp,flh), Mickey Roker(ds), George Davis(g), Ralph MacDonald(per)。う〜ん、メンバーの名前を見ただけで「クラクラ」する(笑)。

このアルバム、ジャズ・ロックの成熟した音、言い換えると、クロスオーバー・ジャズを経て、フュージョン・ジャズとしての形を整えたフュージョン・ジャズの先駆け的な音がギッシリと詰まっている。ジャジーでファンクなリズム&ビートに乗って、グルービーなインプロビゼーションがガンガンに展開される。ダンサブル、かつ、クールでスマート。

いや〜格好良いジャズ・ロック盤です。冒頭の「900 Shares of the Blue」を聴けばそれが判る。タイトで8ビートでジャジーなドラミングに乗って、マイク・ロンゴのフェンダーローズ滑り込む様に入ってくる。実にグルービー。続いて、ジャズ・ロックならではの、ワウワウを活用した独特な響きのエレギのフレーズが被る。そして、ファンキーな響きを満々に湛えたトランペットとテナーのユニゾンが旋律を奏でる。コッテコテなファンク、ジャジーなグルーブ感。
 
900_shares_of_the_blues_2
  
「Like a Thief in the Night」「Ocean of His Might」と曲が進むにつれ、ジャズ・ロックな演奏が、どんどん洗練されてフュージョン・ジャズ化していくことが判る。「Magic Number」などは、メインストリームなジャズの雰囲気を湛え、硬派なコンテンポラリー・ジャズとして聴いても十分鑑賞に耐える。

そして、ラス前の「Summers Gone」は秀逸なバラード。このバラード演奏はもうジャズ・ロックの範疇を超える。演奏の雰囲気は、これはもう「ソフト&メロウ」を基調としたフュージョン・ジャズの佇まい。途中、展開されるペットとテナーのソロは、実にアグレッシブでガッツのある純ジャズ的なブロウで、この「ソフト&メロウ」なフュージョン・ジャズの展開をググッと引き締める。

ラストのチック・コリアばりのスパニッシュ・フュージョン「Moodo Grande」はご愛嬌。ちょっとやり過ぎかな(笑)。ちょっと疾走感に欠けますが、スパニッシュなフレーズを弾き上げるロンゴのフェンダーローズの音は実に魅力的です。スパニッシュなフレーズにフェンダーローズの音色は実に合う。

このアルバム、ジャズ・ロックからフュージョン・ジャズの先駆け的な演奏が詰まっているんですが、ハードバップ時代からのベテラン・ジャズメンであるベースのロン・カーターが大健闘しています。当時のロンにしてはピッチがバッチリあっていて、アタッチメントで増幅されたアコ・ベースの音が、結構タイトに録れていて、8ビートにバッチリと「ハマって」います。グルーブ感の増幅にロンのベースの貢献大です。
 
ちなみに、この髭モジャの大きな口のジャケット写真。このアルバムのジャケット・デザインにはちょっとひきますよね。これは「ジャケ買い」の反対。この「ひいてしまう」ジャケットに負けてはいけません(笑)。でも、やっぱり、しげしげと眺めて見ると、ちょっと不気味ですよね〜。

 
 

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