大変美しい皆既月食でした
昨晩は皆既月食でした。皆既月食とは、満月が地球の影に丸々スッポリ入る天文現象。始まりから終わりまで約3時間半の皆既月食を全国で観測できるのは、2000年7月16日以来、11年5カ月ぶりとのこと。
昨日は日中から快晴で、恐らく天気的には問題無いだろうと、いそいそと昼過ぎから準備を始めました。月食のスナップ写真を撮ろうと目論見、フィルム一眼時代の135mmの望遠レンズのデジタル一眼にアダプター経由でセット。デジタル一眼に135mmの望遠レンズをセットすると、フィルムの場合の200mm望遠レンズ相当のイメージになる。月食のスナップ撮影としては十分だろう。
天文は40年以上続いている趣味なので、皆既月食などは絶対に外せない。しかし、この10年ほどは、ゆっくりと定期的に夜空を見上げる余裕が無かったことに、最近、やっと気が付いた。転職とか、私的な面で、ややこしいことが色々あったので、心の余裕が無くなっていたんだろう。今回、入院している時に、本当に真面目につらつらと反省した。これだけ余裕が無くなれば、そりゃ〜病気にもなる。
そういうことで、万感な想いを胸に、天文の趣味にしっかり返り咲くべく、時を待つ。皆既食の始まりは21時45分頃。満を持して、ルーフバルコニーへ。夕飯を食べた後、19時頃は晴天だったので安心していたのだが、さにあらず。夜空のど真ん中、天頂を中心に、南西から北東の方向に帯状の雲がたなびき、ちょ
うど、月のある部分に南の空から川の流れのように雲が流れている。部分月食の状態の月は常に薄雲の中。酷い時は雲に隠され、月の姿が見えなくなる。おいお
い勘弁してくれよ、とちょっとイライラ。
まあ、この雲の流れは、この地方特有の傾向ではあるので、じっと雲が無くなるのを待つしか無い。薄雲の通して、ボンヤリと浮かぶ月がどんどん欠けていくのが判る。そして、徐々に雲が切れ始めて、雲の切れ間、切れ間で部分食状態の月がハッキリ見て取れるようになる。ちょうど、8分ほど欠けた頃、なんとか写真にも綺麗に写るようになった(写真上・22時46分頃)。
そして、23時05分。いよいよ皆既月食の始まりである。そこは晴れ男の面目躍如。皆既月食が始まった途端に、雲が切れて晴れ渡り、ばっちりと皆既中の赤銅色の月がぽっかりと浮かび上がりました。ふふっ、昔からいざという時は晴れるのだ。天頂付近の夜空では、オリオン座と牡牛座に挟まれて、赤銅色の月がポッカリと浮かんでいる。幻想的な夜空。久し振りである。皆既月食の月はいつ見ても神秘的で美しい(写真下・23時07分頃)。
しかし、皆既月食って、実に神秘的な光景だよなぁ〜。久し振りに感動した。いや〜晴れて良かった。しかも、病み上がりの身の上、このところの寒さが心配だったが、夜半前までは思っていたより寒くなかったので、良かった、良かった。しっかりと防寒服に身を固め、意外とぬくぬくと皆既月食を楽しむ事ができました。
振り返ってみて、この10年間ほど、心の余裕を完全に無くしていたことに気が付きました。これからは、余裕を持って、あまり細部にこだわることなく、天文の趣味と再び付き合っていこうと思いました。
今回の急な入院といい、今回の皆既月食といい、いろいろと思い直すチャンスがあって、入院は辛かったけど、もしかしたらラッキーだったのかも、とポジティヴに感じています。やっぱり、天文って良いです。
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