「う〜〜、スペクトラム!」の名盤
古代ローマの戦士を思わせる甲冑や北欧のバイキングをイメージした被りもの付きの「ど派手」なコスチュームを着用、ギター、ベース、トランペット、トロンボーンの5人が最前列に並び、演奏しながら振り付けを合わせて踊り、楽器をクルクル回すパフォーマンスが凄かった。
ファンキーかつR&Bなブラス・ロックを基調としたフュージョン・ジャズ。1979年から1981年まで活動した、ジャンル不詳のブラス中心のファンク・バンド。その名は「スペクトラム(Spectrum)」。ファーストアルバム『Spectrum』は衝撃的だった。日本にもこんなブラス・ファンク・バンドがあったんや〜、と嬉しくなった。
そんなスペクトラムのセカンド・アルバムが『オプティカル・サンライズ(Optical Sunrise)』(写真左)。ファーストアルバムでは垢抜けない部分があって、それはそれで魅力だったが、このセカンド・アルバムでは、スペクトラムの持つ「音の個性」、ファンキーかつR&Bなブラス・ロックを基調としたフュージョン・ジャズに磨きがかかり、演奏がシャープになって、スペクトラムの音がばっちりと完成している。
収録されている、どの曲も良い出来である。3曲目「侍S」は、スペクトラムを代表するインスト・ナンバー。4曲目の「イン・ザ・スペース」は、2枚目のシングルとして発売され、ヒットした。テクニクスのステレオ・コンポ『THE SPACE』のテレビCMに使用されて、なんだか誇らしかったのを覚えている(ファンとはそういうものさ・笑)。
そして、5曲目の「ミーチャン GOING TO THE HOIKUEN」は名曲・名演である。フリューゲル・ホーンの柔らかな音色と、曲間のミーチャンとメンバーの会話が凄く良い。曲のテンポもゆったりと歩くテンポで心地良く、ブラス・フュージョン・ポップスな雰囲気がほのぼのしていて、凄く心地良い。ちなみに、ミーチャンとは、当時の所属事務所アミューズの大里洋吉社長の娘とのこと(ファンとしては当時から知っていましたよ・笑)。
ちなみに、ラストの「サンライズ (Sunrise)」はイントロと間奏部分がスタン・ハンセンのテーマとして使用された曲である。このアルバムに収録されている曲って、リリース当時より今に至るまで、結構、TVやラジオでBGMやジングルとして使われているんですよね。はい。
ファンキーかつR&Bなブラス・ロックを基調としたフュージョン・ジャズ。切れ味抜群、情熱溢れる演奏は唯一無二。ジャンル不詳のコッテコテ&爽やかファンキーな個性の塊。1981年9月22日の武道館ライブを最後に解散してしまったが、スペクトラムの音は、今でも十二分に通用する。素晴らしい個性を持った、奇跡のようなバンドだった。
僕は、アルバムの中に隠し味の様に忍ばせる、スペクトラムのギャグセンスにも一目置いていた。「ミーチャン GOING TO THE HOIKUEN」のエンディング部分。当時はアナログ処理。テープ操作で早送り。ヴォーカル・コーラスを高音化しつつ、アニメ的な「ミーチャン声」に変化して、最後に「う〜〜、スペクトラム!」と叫ぶところ。何度聴いても良い(笑)。お後がよろしいようで・・・。
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「ミーチャン GOING THE HOIKUEN」で検索したらヒットしました。「ミーチャン・・・」は大好きな曲です。マスターが仰ることは勿論、小生は「TAKE THE A TRAIN」を髣髴させるとも思っています。
2011年12月23日(金)ドンペイさんが音楽監督兼プリンシパル・トランぺッターを務めるABCオーケストラのクリスマスコンサート(矢板市)を水戸市から聴きに行きます。
投稿: Jupiter | 2011年12月21日 (水曜日) 14時20分
Jupiterさん、こんばんは。松和のマスターです。
いや〜、やっぱり、「ミーチャン GOING THE HOIKUEN」のファンの方々って
いるんですね〜。心強い限りです(笑)。「TAKE THE A TRAIN」を髣髴させる
とは、う〜ん感心しました。なるほど・・・。
投稿: 松和のマスター | 2011年12月21日 (水曜日) 20時31分