« ロッド・スチュワートの最高傑作 | トップページ | こんなアルバムあったんや・4 »

2011年10月31日 (月曜日)

演奏の切れ味良く、俗っぽく・・・

一昨日、ハービー・ハンコックの『Lite Me Up』をご紹介した。その時、アルバムの演奏全体を通じて、「演奏の切れ味」と「アレンジの妙」という点では、クインシー・ジョーンズの諸作にはかないません、と書いた。

ここに、George Dukeの『Dream On』(写真左)というアルバムがある。1982年リリースのジョージ・デュークのブラコン・フュージョンの傑作である。このアルバムは、ブラコン・フュージョンとして、なかなかの内容を誇る、素晴らしい出来のアルバムである。

ハンコックの『Lite Me Up』と比べると、演奏全体の切れ味は、こちらのジョージ・デュークの方が圧倒的に上。リズム&ビートのメリハリもジョージ・デュークの方が上。エレピの腕も、総合的に見て、ジョージ・デュークの方が上。

ということは、このジョージ・デュークの『Dream On』は、ブラコン・フュージョンとして、クインシー・ジョーンズの諸作と肩を並べるほどの内容か、と問えば、答は「否」。「アレンジの妙」という観点で、どうしてもクインシーの極みには達していない。

ジャジーな要素が薄れているというか、ファンクなビートが前面に押し出されて、ディスコ・ミュージックなリズム&ビートに聴き間違いそうなほど。基本のリズム&ビートはジャジーなんだけどなあ。
 

Dream_on

 
ブラコン・フュージョンという音作りで難しいのは、演奏の切れ味が良ければ良いほど、リズム&ビートのメリハリが効けば効くほど、ディスコ・ミュージックに近づいていく。つまり、演奏の内容が俗っぽくなっていく。しかし、大衆には大受けに受けるんだけど・・・。

このGeorge Dukeの『Dream On』は、ブラコン・フュージョンという音作りではあるが、音楽ジャンルの括りとしては「ディスコ・ミュージック」に分類されることが多い。僕からすれば、とんでもない聴き違いだ、と思うんだが、この演奏の切れ味とリズム&ビートのメリハリの効き具合が良ければ良いほど、ディスコ・ミュージックに近づいていく。

ブラコン・フュージョンの「アレンジの妙」のさじ加減の難しさを感じる。つまりは、クインシー・ジョーンズの諸作は、「演奏の切れ味」と「アレンジの妙」のバランスが如何に絶妙か、ということを教えてくれる。クインシー・ジョーンズのブラコン・フュージョンは決して、ディスコ・ミュージックの括りにはならない(適当に「括る」人もいるけど・・・)。

とは言え、このジョージ・デュークの『Dream On』は、ブラコン・フュージョンの傑作。ハンコックの『Lite Me Up』の上を行く出来だと言って良いだろう。優れたクインシー・ジョーンズの正統派フォロワーである。

ハンコックは「このままでは駄目だ」と思ったのかどうか、ハンコックは『Lite Me Up』の次作で、とんでもない飛び道具を携えて「一発逆転」を試みる。その「とんでもない飛び道具」とは何か。それは後日、また、このブログで語るとしよう・・・。

 
 

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3

がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。
 

保存

« ロッド・スチュワートの最高傑作 | トップページ | こんなアルバムあったんや・4 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 演奏の切れ味良く、俗っぽく・・・:

« ロッド・スチュワートの最高傑作 | トップページ | こんなアルバムあったんや・4 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー