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2011年10月10日 (月曜日)

ブラッド・メルドーの攻略法・1

ジャズ・ピアノについては、既に40年以上、聴き続けている。初めて、聴いたジャズ・ピアニストはビル・エバンス。クラシック・ピアノの延長線上で、ジャズ・ピアノを教えて貰っていた時の「教材」のレコードであった。

それ以来、40年以上、ジャズ・ピアノを聴いているが、僕のジャズ・ピアノ鑑賞の「幹の部分」、つまりはジャズ・ピアノの基準の部分を占めるアーティストは、歴史的に順を追って挙げると、オスカー・ピーターソン、ビル・エバンス、チック・コリア、ミシェル・ペトルチアーニ、そして、ブラッド・メルドーである。

この5人のピアニストが僕の基準である、この基準の周りに、時代時代のトレンド、スタイルを彩る、お気に入りのジャズ・ピアニストが多々いる。しかし、「松和のマスタ−、ジャズ・ピアノとは」と問われれば、僕は、この基準となる5人のジャズ・ピアニストを挙げる。

21世紀を迎えた、僕の今のジャズ・ピアノの基準は、チック・コリアとブラッド・メルドー。キーボーティストという総合的な面を含めて、チック・コリアは未だに重要だと思うし、アコ・ピアノ専門の伝統的なジャズ・ピアノという面では、ブラッド・メルドーは絶対に無視できない。というか、伝統的なジャズ・ピアノという点では、ブラッド・メルドーは現時点での「基準」をなす、ジャズ・ピアニストだろう。

といって、いきなりブラッド・メルドーに飛びついて、その良さに心酔して、ジャズ・ピアノが理解出来た、と思うのは早計である。ブラッド・メルドーのピアノは、歴史的に著名なスタイリストの要素を多角的に取り入れつつ、自らの個性を添付しているスタイルなので、ブラッド・メルドーを理解するには、ジャズ・ピアノの歴史を理解する必要がある。
 
Brad_mehldau_art_of_the_trio1
 
そういう意味で、オスカー・ピーターソン、ビル・エバンス、チック・コリア、ミシェル・ペトルチアーニの理解は絶対に外せない。この「幹の部分」のジャズ・ピアノを理解することで、ブラッド・メルドーの本質が理解出来るという寸法。ブラッド・メルドーだけを聴き込んだだけで、ブラッド・メルドーの本質は理解しにくい。どころか、表面だけ聴くと、様々なジャズ・ピアノのスタイルとパクリ、というとんでもない勘違いをしてしまうことも「ままある」ので、ご注意願いたい(笑)。

そんなブラッド・メルドーの本質が本当に良く判るアルバムが、Brad Mehldau『The Art of the Trio, Vol. 1』(写真左)。メルドーのファースト・アルバムでは無いが、「The Art of the Trio」シリーズの第一弾。ジャズ・ピアノについて、メルドーがどう考え、どう表現し、どう個性を表出するのか。このアルバムこそが「メルドーの考えるジャズ・ピアノ」である。

ピアノのボイシング、ユニゾン、ハーモニーなどの「響き」の個性、そして、トリオ演奏としての「アレンジメント」の個性、そして、スタンダード曲の「解釈」の個性。この「The Art of the Trio」シリーズの第一弾には、メルドーのジャズ・ピアノに対する「基本的考え方」がギッシリと詰まっている。

優れた極みにある芸術は判り易い。このメルドーのジャズ・ピアノ・トリオはとても判り易い。だからと言って、いきなりブラッド・メルドーに飛びついて、その良さに心酔して、ジャズ・ピアノが理解出来た、と思うのは早計である。しっかりとジャズ・ピアノの歴史を押さえてから、メルドーにチャレンジして頂きたい。そうすれば、それはそれは、また違った素晴らしい音世界が広がること請け合いです。

「急がば回れ」という諺があります。ブラッド・メルドーを理解する為のキーワードだと、僕は思います(笑)。

 
 

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