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2011年10月 1日 (土曜日)

「ダルでラフな」ロックンロール

前作『Every Picture Tells a Story』で、全英1位・全米1位に輝き、英国では、45週連続でチャート・インというロング・ヒットとなった。そのビッグ・ヒットの次なるアルバムである。流石に、ロッドもびびったであろうことは、想像に難くない。

そこで、翌1972年、次作の4枚目のソロ・アルバムとなる『Never A Dull Moment』(写真左)では、米国ルーツ・ミュージック的なゴスペルやコテコテファンキーなR&Bはお休みして、ロッドがリラックスして歌うことが出来る音世界、ロッドの大好きな、ロックンロールの世界を中心に据えている。

英国で、オールデイズなロックンロール・テイストを生み出すバンドと言えば、当時、ロッドがメンバーと参画していた「フェイセズ」だろう。なんと、この『Never A Dull Moment』には、フェイセズのメンバーが、ロッドのバック・バンドとして、全面的に参加している。

フェイセズは、オールデイズなロックンロール・テイストだけでは無く、トラッド・フォーキな感覚や、ライトなR&B的な感覚も特徴としてあげられる、多様な音楽性を有しているバンドである。このロッドのソロ・アルバムは、そのフェイセズのオールデイズなロックンロール・テイストをフィーチャーした音作りを全面的に押し出した、「ロックンロール・フェイセズ」な演奏集とも捉えることが出来る。

Never_a_dull_moment

確かに、この『Never A Dull Moment』では、酔いどれバンドと呼ばれた、適度に「ダルでラフな」ロックンロールが全編に渡って満載で、この「ダルでラフな」、つまりは米国ルーツ・ロックのひとつであるスワンプにも繋がる、良い意味で、硬質で「レイドバック」な雰囲気が漂っている。この硬質で「レイドバック」な雰囲気が好きか嫌いで、このアルバムに対する評価は分かれるんではないか。

しかし、ロッドのセンスの良さは、そんな硬質で「レイドバック」な雰囲気を湛えたロックンロールを中心に据えながらも、マンドリンのトレモロやフィドル・チューンを活かした郷愁を感じさせる、ブリティッシュ・フォークな音世界を効果的に忍ばせているところ。この部分は、絶対、英国では「うける」よな。う〜ん、ロッドは「狡い」(笑)。

この硬質で「レイドバック」な雰囲気を湛えた、オールデイズなロックンロールと要所要所で漂うブリティッシュ・フォークな音世界との合わせ技で、『Never A Dull Moment』は全英1位、全米2位に輝く。ほぼ前作と同レベルの成果を挙げたのである。いや〜天晴れである(笑)。

が、4枚目のソロ・アルバムとなる『Never A Dull Moment』は、セールス的には大成功だったが、ちょうどフェイセスの『ウー・ラ・ラ』の製作時期とソロ・アルバムの製作時期とがぶつかってしまい、ロッドがソロ・アルバムを優先させた結果、ロッドと他のメンバーと間に亀裂が生じ、フェイセス解散の一つの原因になってしまった不幸なアルバムでもある。

皮肉なことに、このソロアルバム『Never A Dull Moment』のバックを全面的に務めたのが、こともあろうに、その「フェイセズ」そのものだったのである。

 
 

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