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2011年10月14日 (金曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・13

久し振りに「ビッグバンド・ジャズは楽し」のシリーズ。約4ヶ月ぶり。今日はデビュー当時、「異端」と呼ばれたビッグバンドについて語ります。

ジャコ・パストリアスは、エレベの天才であり、エレベのイノベーターであり、エレベの最高峰であるが、僕にとっては、エレベの天才以上に、ビッグバンドのイノベーターというイメージが強い。

特に、1982年9月のワード・オブ・マウス・ビッグバンドの来日は、完全にリアルタイムで経験している。確か、オーレックス・ジャズ・フェスティバルだったな。仕事が忙しくて公演には行けなかったが、FMでの放送や公演の様子を収録したライブLP盤「Twins I」&「Twins II」をカセットにダビングして、夜な夜な聴き込んでいた思い出がある。

後に、世界発売向けとしてアメリカのワーナー・ブラザーズが、このライブLP盤「Twins I」&「Twins II」から曲を選択し、1枚のCDアルバムのサイズにして、コンピレーション化したアルバムを『Invitation』(写真左)として発売している。ライブLP盤「Twins I」&「Twins II」がCD化されていない頃、このコンピCDは、かなり重宝した。というか、CD時代になっては、これしかなかった(笑)。

しかし、これがまあ、凄い内容のライブCD盤なんですよね。ワード・オブ・マウス・ビッグバンドのライブが、43分という適度な長さで気軽に体験できる、良い意味での「お徳用ライブCD盤」です。

1曲目の「Invitation」が、このビッグバンドの特徴を印象付けます。Don AliasのパーカッションとPeter Erskinのドラム、そして、Jaco Pastoriusのエレベという、凄まじいばかりのリズム&ビートの嵐。このビッグバンドの最大の特徴は「強烈、強靱、柔軟なリズム&ビート」。これだけリズム&ビートが弾け飛ぶビッグバンドは無いと思います。
 
Jaco_invitation
 
僕はビッグバンドが単純に好きなので、このCD盤の「Soul Intro / The Chicken」と「Liberty City」には、初めて聴いて以来、30年以上に渡って痺れっぱなし。特に「Soul Intro / The Chicken」は何度聴いても飽きない。恐らく、一日、聴いていても飽きないと思う。それくらい、この曲が、アレンジが、演奏が大好きだ。

じっくりと聴き耳をたててみると、収録曲全体のアレンジは、ほぼ、ギル・エバンスのエッセンスを踏襲していますが、ギルのアレンジの手法を、全く持って自分のものとして、完全にジャコの個性として成立しているところが立派。

スチール・ドラムの導入もユニークな特徴。7曲目のハードでタイトな演奏で、テンション張りっぱなしな「Reza」の途中に、突如として現れる「Giant Steps」のフレーズ。この「Giant Steps」のサックス・パートをスチール・ドラムが再現しています。いやいや、コルトレーンもビックリのスチール・ドラムの饗宴。

当然、ジャコのソロ・パフォーマンスも凄いです。「Continuum」でのJacoのソロ・パフォーマンスは素晴らしいの一言。これほどまでに、エレベが様々な音の表情を聴かせてくれるとは・・・。変幻自在、縦横無尽、自由に飛ぶように、ジャコのエレベが乱舞します。

ブラスの音も凄くパンチ力のある響きですし、ビッグバンドのワイルドな面をメインに、きめ細やかなアレンジ、印象的なユニゾン&ハーモニーがあしらわれていて、従来のビッグバンドとは一線を画した、ワールド・ミュージック的な、ルーツ・ミュージック的な響きが美しい、ワイルド感のあるビッグバンドです。もしかしたら、従来からの長年のビッグバンドのファンの方々からすると、もしかしたら、このワード・オブ・マウス・ビッグバンドは「異端」かもしれませんね。

でも、このワード・オブ・マウス・ビッグバンドのユニークさは、今でも鮮度をしっかりと保っています。決して、当時、心無い方々から揶揄されたように、ジャコが好き勝手やっているんではありません。しっかりとアレンジされ、しっかりと構成されたビッグバンド・ジャズです。

このビッグバンドが恒常的に維持されて、どんどんリハーサルを積み、演奏経験を積んでいったら、どんなビッグバンドに成長していったのか。想像しただけで「空恐ろしく」なります。逆に、そんな「空恐ろしい」ビッグバンドを聴いてみたかったなあ、と単純に思います。

 
 

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Fight_3

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