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2011年9月10日 (土曜日)

マーキュリー時代の最高傑作

ロッド・スチュワートのソロ・セカンド・アルバム『Gasoline Alley』。ロッドのアルバム紹介本では名盤だ、名盤だと紹介されるが、チャート的には全英62位・全米27位。セールス的には「イマイチ」な結果だった。

僕は、この『Gasoline Alley』については、内容的に悪くは無いが、いろいろと違和感が残る、力でねじ伏せたような、ロッドの力業を感じる事ができるアルバムだと思っている。無理矢理キャッチャーにした雰囲気がなあ。もう少し自然で円やかな表現にならないか。

その不満については、サードアルバム『Every Picture Tells a Story』(写真左)で、ロッドはさらりと解決してしまいます。僕は、『Gasoline Alley』ではない、この『Every Picture Tells a Story』こそが、英国時代、マーキュリーレーベルでの最高傑作だと思っている。このアルバムは1971年の発表。全英1位・全米1位に輝いている。また、英国では、45週連続でチャート・インというロング・ヒットとなった。

このアルバムには、ロッドの趣味、ロッドの趣向がギッシリと詰まっている。それらが、非常にセンスの良いアレンジメントとプロデュースによって、全く不自然無く、全く自然に耳に響いてくる。英国人のロッドがR&Bをはじめとする、米国ルーツ・ミュージックに手を染めるのだ。違和感があって当然。しかし、このアルバムにはその違和感が無い。良くプロデュースされた名盤である。

収録されたそれぞれの曲が、全てに、米国ルーツ・ミュージックの要素を反映している。ロッドの大好きなR&B、ロックンロール、そして、米国南部の、後のサザンロックのベースとなるゴスペル、ファンク。そして、カントリー&ウエスタンな曲調にもチャレンジしている。

Every_picture_tells_a_story

1971年当時、英国ロック界は、デラニー&ボニー&フレンズの英国ツア-を切っ掛けに、米国ルーツ・ミュージックをベースとした「スワンプ」の流行が吹き荒れていたが、その「スワンプ」に迎合すること無く、ロッド固有の米国ルーツ・ミュージックの取り込みと解釈を見せつけたこの『Every Picture Tells a Story』については、ロッドの独自性について、もっと評価されても良い名盤である。

収録されたどの曲も出来が素晴らしいが、やはりシングルカットされ、全英5週連続1位・全米5週連続1位という素晴らしい成果を挙げた「Maggie May(マギー・メイ)」が最高だろう。こっそりとアメリカン・トラッドな「Amazing Grace」を織り込んでいるところがニクイ。 

バックは、ロッドの参加するFacesの連中が中心なのだが、Facesのバンドらしい音を引きずりながらも、ロッドのソロ・アルバム独特のトーンが引き出されているところに、ロッドのボーカルの強さを感じる。明らかに、Facesとは違う音作り。英国人のロッドがR&Bをはじめとする、米国ルーツ・ミュージックにドップリと浸かった音。このアルバムを聴いていると、以降、Facesと袂を分かつロッドの立ち位置というものを十分に感じ取る事が出来る。

大名盤の内容の割に、なぜか日本のロッドの名盤紹介に、あまり名を連ねることの無い『Every Picture Tells a Story』。恐らく、タイトルが英語のままで、かつ、長すぎたんだろうな。1970年代、日本でのLPリリースでよくあった「印象的な邦題」もついていない。恐らく、タイトルとちょっと渋いアルバムジャケットが、このアルバムの印象を薄くしているように思う。

しかし、この『Every Picture Tells a Story』は大名盤である。ロッドのというより、1970年代、米国ルーツ・ミュージックの要素とした、米国ルーツ・ロックの名盤として、もっともっと評価されるアルバムだと思います。ロッドの英国時代、マーキュリーレーベルでの最高傑作だと思います。

 

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Fight_3
 
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