ミンガス楽団の傑作ライブです
ジャズを聴き馴れた頃、ジャズを聴き始めて10年位経った頃だっただろうか、突如として、チャーリー・ミンガスに開眼した(笑)。
雰囲気的になんだか難解な印象で、しかもバリバリ硬派な純ジャズ。時々、フリー・ジャズ的な雰囲気も時々不意を突くように入る。不協和音前提のユニゾン&ハーモニーは十八番中の十八番。振り返れば、実にジャズらしいジャズのひとつだと思うんだが、ジャズを聴き始めた頃は、このミンガス・ミュージックは実に「敷居が高い」。
しかし、ジャズを聴き始めて10年位経った頃だったか、ある日突然、ミンガス・ミュージックがなんとなく理解できるようになり、不意を突くようなフリー・ジャズ的な雰囲気も、不協和音前提のユニゾン&ハーモニーも全く気にならなくなったどころか、ミンガスのアルバムを聴くにつけ、ミンガス・ミュージックには不可欠で、それらを心待ちにするようになったのだから不思議。
そんなこんなで、その頃出会って、今でもちょくちょく気軽に聴くミンガスのライブ盤が『Charles Mingus In Europe Vol.1』(写真左)。1964年4月26日、西ドイツ(当時)でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Johnny Coles (tp), Eric Dolphy (as, bcl, fl), Clifford Jordan (ts), Jaki Byard (p), Charles Mingus (b), Dannie Richmond (ds)。
今から思えば「黄金のメンバー」である。渋いペットが身上のジョニー・コールズが、ミンガス楽団のフロントの一角を占めていたのにはちょっとビックリ。しかし、エリック・ドルフィーとクリフォード・ジョーダンの2管は超弩級のフロント・サックスであり、これは「無敵」ですね。ピアノに、オールラウンド・プレイヤーであるジャッキー・バイアードが座り、ドラムには、永遠のミンガスのパートナー、ダニー・リッチモンドが控える。
この「黄金のメンバー」で、かの有名な「Fables Of Faubus(フォーバス知事の寓話)」のライブ・バージョンが聴けるのが嬉しい。『Presents Charles Mingus』で聴くことの出来る、オリジナルの「Fables Of Faubus」は、スタジオ録音だけに整い過ぎて、ちょっと温和しめの演奏が不満と言えば不満。やっぱり「Fables Of Faubus」はライブ・バージョンが良い。躍動感溢れ、ドラスティックな展開が凄い。
2曲目の「I Can't Get Started (Starting)」のドルフィーのフルートの美しいことといったら。ミンガスとのデュオ。何度聴いても聴き耳を立ててしまいます。そして、ラストの「Meditations」は「ミンガス楽団のショーケース」の様な、リレー方式のインプロビゼーションの嵐。メンバーそれぞれの個性が非常に良く判って楽しい。ジャズのインプロビゼーションってこんな感じ、って言いたくなるような「絵に描いた様な」アドリブの嵐。
いや〜、今、聴いても凄いライブ盤ですね。ジャズを聴き始めて、最初の頃は苦労もしたけれど、なんとか、こんな素晴らしいジャズが聴くことが出来る様になって良かったなあ、って心から思います。
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